研究課題/領域番号 |
07401010
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
浅倉 有子 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70167881)
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研究分担者 |
市澤 哲 樟蔭女子短期大学, 日本文化史学科, 講師 (30251862)
下里 俊行 上越教育大学, 学校教育学部, 講師 (80262393)
河西 英通 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40177712)
真野 俊和 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (10171076)
二谷 貞夫 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (10156135)
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キーワード | 東アジア / 歴史認識 / 歴史教育 / 地域概念 / 民族 / 主権 / 他者 / 自然環境 |
研究概要 |
平成7年度は、本研究の初年度として、今後の研究の方針について議論を重ねるとともに、2ケ月に一度程度の割合で研究会を開催し、各自の成果を共有する機会を持った。代表者・分担者は、それぞれの分野で史・資料・文献の収集、目録・データベースの作成や先行研究の総括につとめ、研究遂行の基礎を固めた。またメンバー全員による境界地域を対象とした調査の初発として、沖縄地域への調査を行い、文献収集を重点的に行うとともに、各地の教育委員会が発行している地域教材(副読本)の収集につとめた。また、同地域における土壌、植生、地形等に関する予察的な調査を行った。この調査を通じて、それぞれの時代の要請によって設定される地域概念のあり方とその重層性、境界地域の自己統合と中央との関係、自然環境の多様性と歴史・文化の関係、あるいは生活文化・民族文化というレベルでの東アジア地域の共通性と異質性等についての見通しが得られた。さらに大韓民国の国史編纂委員会委員長の季元淳氏を中心とする研究者・教育関係者から、日韓教科書問題、旧総督府解体問題等に関するレビューを受け、意見交換を行った。なお代表者と分担者の二谷貞夫・河西英通の3名は、私費で中国歴史教育学会へ出席し、中国の研究者・教育者との意見交換を行い、東アジア近現代史教育のあり方について新たな知見を得た。これらの交流を通して、戦後50年の節目が、東アジア諸国にとって、対立・競合・交流の近現代史・同時代史を再検討・再構築する契機となるという見通しを持つことができた。さらに、日本と東アジア諸国との関係や、地域概念の形成を考える上で避けて通れない第2次世界大戦におけるアジアや敵のイメージを、軍歌・戦時歌謡等の分析によって抽出を試みたことも成果である。また二谷貞夫は、「東アジアにおける歴史教育に関する学術交流の現状と課題」をテーマする口頭報告を、環日本海学会第1回研究大会で行った。
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