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1998 年度 実績報告書

弥生時代鉄器の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07401012
研究機関広島大学

研究代表者

川越 哲志  広島大学, 文学部, 教授 (20033491)

研究分担者 安間 拓巳  広島大学, 文学部, 助手 (40263644)
中越 利夫  広島大学, 文学部, 助手 (80144799)
藤野 次文  広島大学, 文学部, 講師 (20144800)
古瀬 清秀  広島大学, 文学部, 助教授 (70136018)
河瀬 正利  広島大学, 文学部, 教授 (30093743)
キーワード弥生時代 / 鉄器
研究概要

昨年度に引き続き、弥生時代鉄器地名表の作成と鉄器資料収集(鉄器実測図の収集)を実施し、研究の最終年度のため、研究のとりまとめをおこなった。その内容は、1,平成9年度に刊行された発掘報告書から弥生時代鉄器資料を抽出して、遺跡カード、鉄器カードに写し、出土遺構ごとにデータ・ベースに入力した。2,各地の埋蔵文化財センターや大学等研究機関において、近年出土資料、未発表資料や、報告書未記載資料の調査である。これらは、実測図の作成、写真撮影等をおこなって同様のカードにまとめ、入力した。3,研究のとりまとめとして、これまでに作成した地名表原稿を各地の研究者に送付して諸種の点検をおこない、新資料を追加して「弥生時代鉄器地名表」を作成した。4,このうち、予算の制約上、全国の約半数にあたる九州地域のみを「弥生時代鉄器出土地地名表」(九州地方編)として印刷し、「研究成果報告書」とすることとした。全国的なものは『弥生時代鉄器総覧』として科学研究費研究成果公開促進費を申請し、平成11年度中に刊行予定である。
本研究の研究成果をまとめてみると、1,弥生時代の鉄器出土遺跡は、1800遺跡、鉄器数は約8000点以上になり、研究代表者が1970年に集成した201遺跡、542点にくらべると、大幅な増加である。2,とくに、3世紀(後期後半、終末期)の鉄器資料が多く、この時期に全国的に鉄器化が進展したといえる。3,出土分布は北部九州が最多で、東にいくほど希薄になり、国内の鉄器やその技術の伝播が北部九州を基点に東方へ拡大したことが明らかである。4,北部九州は弥生時代の開始時期(前期初頭)から鉄器が導入され、中国・四国・近畿地方は前期後半、中部・関東以北は中期後半に導入されるが、本州北端までは及ばなかった。5,弥生時代の鉄器の大部分は鍛造品であるが、西日本では前期から中国戦国時代の燕、斉の系譜を引く舶載鋳造鉄器やその一部分を加工した国産鉄工具があり、鋳造品は関東まで伝えられた。6,生産用具の鉄器化は工具から始まり、農具の鉄器化は遅れて進行したが、7,鉄器化の段階には地域性があり、後期になると各地で鉄器の形態、種類、組成に地域性が生じた。8,鉄製武器は中国前漢の馬腎関の制約から解放された舶載品が中期中葉に北部九州に出現したが、国産の大型鉄剣、鉄刀は後期後半〜終末期に日本海沿岸部に多く、後期後半には関東でも国産小型武器が生産された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 川越哲志: "弥生時代の鉄器をめぐって" 鳥取埋文ニュース. 46・47. 3-13 (1995)

  • [文献書誌] 川越哲志: "中国地方中世製鉄炉の地下施設" 広島大学文学部紀要. 第58巻. 130-151 (1997)

  • [文献書誌] 川越哲志: "弥生時代鉄器出土地地名表(九州地方編)" 文部省科学研究費研究成果報告書, 100 (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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