研究分担者 |
山本 昌宏 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50182647)
北田 均 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (40114459)
菊地 文雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40013734)
バランディン アレクサン 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00280959)
三村 昌泰 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50068128)
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研究概要 |
金子晃は大学院生と協力して,平面図形の複素モーメント値からの再構成問題を取り上げ,一意性について従来知られていた事実を改良した.また,考え得るすべてのアルゴリズムについて,数値的再構成の実験を試みた.この実験は現在継続中である.また,この問題の応用として2点数値積分公式を成り立たせるような領域を複素,実の両ケースについて決定し,実の場合は同時にこの積分公式を満たす函数族を決定した.また,計算機の空き時間を利用して,5方陣の全データの計算を遂行しその良いパラメータ付けを研究した. 三村昌泰は,非線形非平衡系の現われるパターン形成機構を理解するために,枯草菌と呼ばれるバクテリアのコロニーパターンを理解することを実験者との共同で研究対象とした.このバクテリアは環境条件に鋭敏に依存して,マクロ構造からミクロ構造を持つ2次元パターンが出現する.分担者はその数理モデルを提出し,本科研費で購入した計算機を有効に利用することによって,これらのパターンは相転移的メカニズムで起こることを明らかにした.それらの結果は目下出版準備中である. 菊地文雄は,大学院生と協力して修正8節点セレンディピティ要素の補間誤差の評価を求め,3次の正確さを持つことを示した.また,計算機により具体的な問題に対するその有効性を確認した. 山本昌宏は、多次元の双曲型方程式に対する逆問題の一意性を,係数に対する正則性の仮定を従来より弱めた形でカルレマン評価を用いて導いた.これにより逆問題のリプシッツ安定性を最も望ましい形で示すのに成功した. その他の協力者もそれぞれに計画した研究を進行中である.
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