我我の電波カメラは6個の受信機コンポーネントを集積してカメラを構成しようとするもので受信機コンポーネントも小型、軽量、かつ単純な構造を持っていなければならない。小型化したミキサーマウントを設計・製作した。さらに低雑音化を目指しPCTJ型SIS素子を装備した。単純化した立体回路部と新規に製作したSIS素子の組み合わせはこの周波数帯では新しい試みなので性能測定をし理論計算と比較しながらSIS素子とマウントのマッチングが取れるように改造を押し進めた。結果として雑音温度10Kを実現した。IF増幅器部も小型化、軽量化をしなければならないが、小型冷却増幅器を使用して、広帯域IF増幅器部系の製作をおこなった。また、望遠鏡からの信号入力部であるミラー・ホーンによる光学系を設計した。信号入力系は広周波数帯で低損失、高能率であることが必要である。現在は4Kまで冷却したコルゲートホーン・アンテナを使用している。今回は大きさの制限をくわえても性能の落ちない光学系をみつけた。これらは4K冷凍器・デュワ-とともに製作した。このシステムは差分放射計を構成するが、全体の性能は信号を高速に切換える低温高周波数スイッチにも大きく依存する。PINダイオードによるスイッチの実験を行うが、雑音発生がおこることがわかった。IF帯でのGaAsスイッチは性能が出ているのでこれを使用することにした。
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