研究分担者 |
小林 寿夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40250675)
高木 滋 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20154750)
笠谷 光男 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20004351)
上村 孝 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30005813)
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研究概要 |
電子状態の局在から非局在に変貌する過程の理解は現在固体物理学の難関である。我々は、f電子及びd電子系のカルコゲナイド,プニクタイト化合物の純良単結晶作製によってこの難関への画期的前進をはかることを目的とするものである。f電子系においてはCePとTmTeの純良単結晶が作成され,中性子回折,光電子分光及び高圧物が測定された。CePは圧力下で非局在転移を起すまで最初はストライプ状に磁性が強くなり,均一な磁性になると飽和し,その後減少に転じ転移後は急速に非磁性金属となる。一方TmTeは転移前は絶縁性の抵抗が加圧と共にどんどん落ちてくるだけで,何事も起らない。f準位が伝導帯にタッチしたとたんにTc〜14Kの強磁性が出現しその後加圧するにつれてTcが減少する。面白いのはこの過程で近藤散乱が広い温度範囲で見えはじめ,Tcが消失するとむしろ抵抗の絶対値は増加すると同時に,温度下降とともに上昇する振舞を示す。このようなCePとTmTeのいちぢるしい違いはどこに由来するのか,現在ドハ-ズ効果を含め多面的な測定がなされつつあり,最終年度にはかなりの全体像が浮び上がると思われる。 又LaPやLaTeのバンド計算の比較からf準位がフェルミ面に加圧と共に近ずくのは,f準位そのものが自ら接近してゆくことが判明し,これは強相関係の根幹的問題であることが判った。
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