研究課題/領域番号 |
07404018
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
天谷 喜一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80029503)
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研究分担者 |
遠藤 将一 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (10001843)
宮城 宏 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (10029473)
石塚 守 大阪大学, 極限科学研究センター, 助手 (30184542)
小林 達生 大阪大学, 極限科学研究センター, 助教授 (80205468)
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キーワード | 超高圧 / 固体水素 / 金属化 / 電気抵抗 |
研究概要 |
(1) 超高圧極限技術の開発 本年度は、百万気圧域極限技術の開発を行った。即ち、従来より百万気圧域における物質の伝導性の直接験証として、電気抵抗及びホール効果の測定を行ってきた。その事自体、世界の記録であったが、本年度は超高圧発生用DAC及び測定法の改良により0.1K以下の極低温下、220万気圧までの電気抵抗測定に成功を収め、自らのチャンピオンレコードを大幅に更新した。水素の金属化が指摘されている300万気圧及至400万気圧の達成と同時に極微細加工技術を応用した圧力発生面上の電極作成による抵抗測定も今一歩の所まで近づいている。 (2) 超高圧下における超伝導探索 酸素の超伝導 液体酸素を超高圧セル(DAC)内試料穴に封じ込め加圧することで固体酸素を作り、更に加圧を続けることで絶縁体-金属転移、更に百万気圧下0.6Kで超伝導転移を示す抵抗の減少を観測、更に高感度磁束計SQUIDによる磁化測定により、反磁性磁化の出現を0,6K近傍で観測、金属酸素の超伝導性を決定づけた。 続いて、超伝導転移点(Tc)の圧力依存性を125万気圧まで調べたが顕著な変化は観測されなかった。Tcの外部磁場依存性からは超伝導の壊れる臨界磁場値(Hc)は2Tと決定された。 アルカリハライド(CsI)の超伝導 イオン結晶の中で、特にアルカリハライドCsIは圧力下で絶縁体-金属転移の期待される物質であった。我々は、220万気圧という超高圧の発生とその下での電気抵抗測定技術の開発により 「食塩(NaCl)の仲間である」CsIの金属化と超伝導性の観測に成功した。まず室温における抵抗の圧力変化から、約110万気圧を境に金属化が起こり、次いで180万気圧以上で、電気抵抗の急激な減少を観測、外部磁場依存性から超伝導への転移を結論づけた。転移点(Tc)は圧力に依存し、l80GPaで2K、圧力増加と共に減少し206GPaでは1.3K、臨界磁場は0.3Tであった。
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