研究課題/領域番号 |
07404019
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小牧 研一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40012447)
|
研究分担者 |
村上 健 東京大学, 放射線医学総合研究所, 主任研究官 (20166250)
東 俊行 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70212529)
山崎 泰則 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30114903)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
キーワード | チャネリング / 重イオン / オコロコフ効果 / 核励起 / 干渉性共鳴励起 / 相対論的エネルギー |
研究概要 |
単結晶中を軸チャネリングするイオンは、結晶の周期ポテンシャルを、振動電磁場として感じる。この振動数あるいはその高調波(n次)がイオンの内部構造の励起エネルギーと一致するとき、共鳴的な励起が期待される。この現象はオコロコフ効果もしくは干渉性共鳴励起(Resonant Coherent Excitation,RCE)と呼ばれる。本研究は、数100MeV/uの重イオンを供給可能な放射線医学総合研究所の重イオン加速器(HIMAC)を利用して、長年の懸案であった原子核のRCE、すなわち核オコロコフ効果を検証すると共に、チャネリング下という特異な環境での、原子分光、核分光という新たな分野の展開を目指したものである。平成7〜9年度にわたる3年間の、研究開発の結果は以下のようを要約される。平成7年度はまず平行性の良いビームの開発を進め、Si半導体検出器を用いて、結晶中のエネルギー損失を指標として、実際に相対論的エネルギーの重イオンの、軸及び面チャネリング実験に成功した。平成8年度には、観測の第一段階として、原子核励起ではなくまず原子準位の励起による干渉性共鳴励起を、390MeV/uAr^<17+>(1電子系)ビームをSi単結晶中で面チャネリングさせることによって試みた。その結果、ビーム入射角度に対する出射電荷の変化を観測することにより、共鳴を確認した。さらに平成9年度には、このAr^<17+>ビームによる原子準位の励起を、利用できるすべての結晶面について系統的に観測し、結晶中でのエネルギー損失と出射電荷の同時測定から、励起エネルギーの結晶場による影響などのより詳細な結果を得た。また年度後半には、Ar^<17+>ビームのチャネリング条件下での脱励起X線及び、イオン化の際に前方に放出される電子(カスプ電子)の観測も行った。今後最終目標である^<57>Feビームを用いた核励起共鳴実験を平成10年度に予定している。
|