研究概要 |
1.平成7年度の実績報告書に記載したように,SIMS装置を用いたMg同位体比測定が可能となったが,その実験途上,二次イオンが検出スリット上に結像していないための質量分解能が設計値に達していないことが判明した。また,試料導入部の試料移動機構に欠陥が生じ,試料の出し入れをスムーズに行うことができなくなるという事態が生じた。これら2点の改善をはかるためその原因追求を行った。改善の具体的内容は次の通りである。前者に関しては,エネルギースリットと磁場入射点間の距離が設計値どおりの配置から数cmずれを生じているためであることが考えられたので,急遽継ぎ手部分の幾何学的配置の見直し再設計に着手した。後者に関しては,試料導入機構全体を新型のものと置換する計画を立て,試料の出し入れがスムーズに行えるようなシステムを思考した。 2.平成7年度に本研究費で導入したSEM/EDSのEDS部の動作が不調を来したため、目下再調整中で,これによる鉱物の同定ができる段階には至っていない。今後調整を続け,同位体異常を示す微小鉱物の同定を可能にする。 3.本研究と同時に交付されている科学研究費補助金基盤研究(A)(2)〔試験〕により,直接塗布型表面電離イオン源を備えた質量分析計(DLMS)を導入できたので,DLMSにより得られる質量スペクトルに基づく同位体比の信頼性をSIMSのそれと比較検討するため,軽元素の標準となる試料を購入し,基礎的実験を繰り返し行った。その結果,珪酸塩鉱物の特徴を同位体的にも反映するものと考えられるMg,Siに関しては,再現性【minus-plus】3‰で同位体測定ができることが,Mg金属および半導体Si結晶を用いた測定により明らかとなっ
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