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1995 年度 実績報告書

固体パラ水素をマトリックスとする飽和分光法による固相での超高分解能分子分光

研究課題

研究課題/領域番号 07404034
研究種目

一般研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

志田 忠正  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60025484)

研究分担者 吉村 一良  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70191640)
百瀬 孝昌  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10200354)
キーワード固体パラ水素 / 高分解能分光 / 飽和分光 / メタン / マトリックス分離法 / 振動回転
研究概要

凝縮系の分子分光学では、スペクトルの不均一幅による分光情報の消失が常に問題となる。本研究の目的は、凝縮系のスペクトルの不均一幅を除去して、さらに高い分解能の分光を行うため、固体パラ水素マトリックス法と飽和分光法を組み合わせて、固体における超高分解能分光手法を確立すること、およびその手法を用いて、凝縮相における多体相互作用や励起状態の緩和過程を詳細に明らかにすること、またマトリックス分離法の長所を生かして、気相では寿命が短く観測の困難な不安定分子の分子の構造や電子状態に関する知見を得ることにある。
平成7年度では以下の成果を上げることができた。
1) 固体パラ水素をマトリックスに用いるマトリックス分離法の確立
2) 固体パラ水素をマトリックスとして不安定分子の高分解能分光を行うための予備実験として、光解離法やレーザー蒸発法により生成する不安定分子種の固体パラ水素中への捕捉を試みた。その結果、メチルラジカルや炭素クラスターなどの不安定分子の捕捉に成功した。そのフーリエ赤外分光を行ったところ、予想通り捕捉分子の振動回転状態が量子化されていることが明らかとなった。さらに、わずかな環境の変化によってこれらの不安定分子種がまわりの水素分子と反応する過程を観測することができた。
固体パラ水素マトリックス中に捕捉した分子の高分解能レーザー分光
固体パラ水素中に捕捉した分子の振動回転線の線幅は他の媒質に比べて細くなることが期待される。そこで、飽和分光を行う前の予備実験として、固体パラ水素中に捕捉したメタン分子の変角振動の赤外遷移のレーザー吸収分光を、本年度購入したアルゴンイオンレーザーを励起源とするレーザーシステムによっておこなった。その結果、振動回転線の吸収の線幅が100MHzと、気相のドップラー幅に比べても狭いことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T. Momose: "Intrared spectroscopic studies on photolysis of methyl iodide and its clusters in solid parahydrogen" Journal of Chemical Physics. 103. 1400-1405 (1995)

  • [文献書誌] T. Momose: "Intrared spectroscopic studies of photoinduced reactions of methyl radical in solid parahydrogen" Chemical Physics Letters. 246. 583-586 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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