研究課題/領域番号 |
07404037
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三吉 克彦 広島大学, 理学部, 教授 (60033924)
|
研究分担者 |
久保 和幸 広島大学, 理学部, 助手 (90263665)
水田 勉 広島大学, 理学部, 助手 (70221603)
中沢 浩 広島大学, 理学部, 助教授 (00172297)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
キーワード | ホスフェニウム錯体 / 鉄ーリン間二重結合 / スタニレン錯体 / メタラホスホラン / ホスファマクロサイクル錯体 / テンプレート反応 |
研究概要 |
1.ホスフェニウム錯体の研究 ジアミノ置換ホスファイトと6族遷移金属との錯体とルイス酸との反応により、ホスフェニウム錯体を合成するルートを開発した。この錯体の幾何異性化、各種スペクトルデータ、置換基が安定性に及ぼす影響、配位子置換反応、X線構造解析などの結果から、ホスフェニウムのリンと遷移金属間の二重結合性を評価した。 8族の鉄錯体とルイス酸との反応でもホスフェニウム錯体が生成するが、この場合鉄上に存在する14族元素配位子(ER_3)の種類によって反応性が異なる。ER_3がアルキル基のときはアルキル基がすぐにPに転移し、ER_3がシリルやゲルミルであるときは生成するホスフェニウム錯体が安定に存在し、単離も可能である。一方、ER_3がスタニルの場合ではスズ上のアルキル基がPに転移し、鉄-スズ間に二重結合をもつスタニレン錯体が生成する。 2.ホスホラン錯体の研究 トリフェニルホスファイトが配位した鉄錯体にルイス塩基を反応させると、リンの原子価が拡張され、鉄ホスホラン錯体が生成することを見出した。X線構造解析並びに各種スペクトルデータから鉄フラグメントがリン原子に対してπ電子供与体として作用していることがわかった。さらにこれらの鉄ホスホラン錯体の反応性についても検討した。 3.ホスファマクロサイクル錯体の研究 14および16員環ホスファマクロサイクルを配位子とするPdおよびPt錯体をテンプレート反応を利用して合成した。X線構造解析により、14員環のホスファマクロサイクルのホールサイズは錯体生成には小さく、16員環のほうが歪みが少ない錯体を生成することを明らかにした。
|