研究課題/領域番号 |
07404042
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡曾 仁 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (30091771)
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研究分担者 |
塚原 聡 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50207338)
福本 敬夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10199268)
樋上 照男 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50143821)
渡辺 巌 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50028239)
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キーワード | 高速攪拌法 / 界面吸着 / 液液界面 / 界面錯形成反応 / 界面配位子交換反応 / ピリジルアゾ化合物 / ポルフィリン / 分子動力学法 |
研究概要 |
平成9年度は、以下の研究成果を得た。 (1)金属(II,III)-テトラフェニルポルフィリン錯体の液液界面吸着性を高速攪拌法により測定し、電気的に中性な二価の錯体では亜鉛(II)錯体が特異的に大きな吸着性を示すこと、三価の錯体は陽イオン性のため一般的に吸着し易いことを見出した。また、鉄(III)錯体においては、界面でμ-オキソ錯体が生成した。 (2)疎水性のピリジルアゾ配位子によるニッケル(II)の抽出速度の律速過程は、界面における1:1錯体の生成過程であることを明らかにした。この界面反応の速度定数はヘプタンでは大きく、トルエンでは小さい。分子動力学法を用いて配位子の吸着状態のシミュレーションを行った結果、トルエンでは、ヘプタンより配位子が有機相側に存在し、水相の金属イオンと反応しにくいことが示唆された。 (3)陰イオン性ポリフィリンと陽イオン性界面活性剤が、水溶液中で特異的な1:4会合体を生成することを見出した。 (4)疎水性ヒドロキシオキシムの界面吸着性を、分子動力学シミュレーションにより予測できることを示した。 以上、平成9年度は界面反応を実験的に研究すると共に、分子動力学法の導入により界面吸着性の評価に新しい道を拓いた。
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