研究課題/領域番号 |
07404047
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
湯田 利典 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (60092368)
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研究分担者 |
鳥居 祥二 神奈川大学, 工学部, 助教授 (90167536)
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10260514)
岡田 淳 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (90013341)
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キーワード | チベット / ヤンパーチン / 空気シャワー観測装置 / Knee領域 / 宇宙ガンマー線 / 一次宇宙線 / シンチレーション検出器 / 角度分解能 |
研究概要 |
現在、チベットのヤンパーチン高原(標高4300m)で稼働中の空気シャワー観測装置(221台のシンチレーション検出器からなる)の中に、さらにシンチレーション検出器を7.5m間隔に配置した(合計77台)。この2台の空気シャワー装置により、10^<14>-10^<17>eVの"Knee"エネルギー領域の一次宇宙線の観測及び数TeVのエネルギー領域の宇宙ガンマー線点源の探索が可能となる。いずれの研究も、本装置によってのみ可能であり、他の実験グループの追随を許さない。 平成8年度はこの観測装置の為の、検出器の製作、データ取得システムの構築及び現地での装置の建設を行なった。データ取得はFASTBUSを用い、その制御はマイコン(Pentium 200MHz)で行い、データは20GBのEXBで8mmテープに書き込んでいる。この装置による空気シャワーのトリガー頻度は約250Hzに設定され、2×10^<12>eV以上のシャワーの検出が可能である。装置の角度分解能は約1度であり、世界最高の性能をもつ観測装置である。装置は、昨年の秋から稼働し、データの取得が行なわれている。 この装置で約2年間観測することにより、一次宇宙線のエネルギースペクトルが一次宇宙線の組成にほぼ無関係に得られる。このエネルギー領域は高エネルギー宇宙線の加速機構を明らかにするために、非常に重要である。また、ガンマー線点源探索については、かに星雲、活動銀河核Mrk421等の点源から初めて、2-3、10TeV領域のガンマー線が空気シャワー装置により初めて検出される可能性があり、その結果は非常に注目されている。
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