研究概要 |
北大低温科学研究所内の低温風洞室内に大型垂直人工雲装置(W:2m×D:2m×H:5m)を構築した.この装置本体は外部冷凍機を使用して-25℃まで冷却することが可能で,装置内部は,部分的には-40℃の実験にも対応できるように考慮されている.また,装置内に生成させる過冷却微水滴やシ-ディングによる氷晶化させる部分も組み込まれている.発生させた過冷却微水滴や氷晶を実時間で個数濃度,粒径分布,雲水量,結晶要素因子,浮遊姿勢等の微物理量の測定のためのアメリカPMS社製の氷晶測定プローブ(OAP-2D-GA2)や雲粒測定プローブ(FSSP-100),雲水量計(KLWC-5)を購入し,それらの動作テストを行った.これらの装置は,人工雲装置内では滑車及びチェーンブロックを使って滑らかに測定部を移動できるようなシステムも製作した. また,人工太陽光としての光源,過冷却微水滴や氷晶の波長別特性を測定するための各種のフィルターの購入も終了した. 大型垂直人工雲装置は,低温室内の広いスペースを使用するため,他の低温室内実験との調整から,今年度は,人工雲を生成させるまでには至ってないが,常温での各種の測定器を含めた動作テストを繰り返し行っており,研究は当初の計画通り進行している.
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