研究概要 |
本年度特に推進した研究はウシガエルのコラゲナーゼとコラーゲン遺伝子の構造解析である。前者についてはcDNA及びゲノム遺伝子の全構造を決定し発表した(Rou′x Arch. Dev. Biol. 1996,205.p.243-251)。校舎については、ウシガエルI型コラーゲンのα1,α2鎖cDNAのほぼ全長をクローン化し、その塩基配列を決定した。ヒトI型コラーゲンa1鎖cDNAを用いたスクリーニングによりcDNAクローンを得た。6A-1は、繊維性コラーゲン遺伝子の3′端側の約3300塩基対をコードしていた。6A-1の5′側の配列を得るために実施したRT-PCRにより得られたY31(約1500塩基対)は、300塩基対以上にわたり6A-1と共通の塩基配列を持っていた。Y31/6A-1は、ウシガエルI型コラーゲンのa2鎖cDNAのほぼ全長をコードしていることが判明した。同時にPCRによって得られたクローンY15は、I型コラーゲンのa1鎖cDNAの翻訳開始点から約1800塩基対の配列を含んでいた。本年度の実績からウシガエルI型コラーゲン遺伝子は、ホ乳動物のそれとほぼ同様の構造を有していることが判明した。さらに、カテプシンDのcDNAをXenopus laevisより全長にわたりクローン化し塩基配列を決定した(Dev.Growth Differ.1995.37.p.463-477)。 その他、本年度開始した研究は以下の通りである。(1)変態期に発現しているホメオボックス遺伝子のクローニング、(2)プロテアーゼT1遺伝子のクローニング、(3)カテプシンDゲノム遺伝子のクローニング、(4)DNase遺伝子のクローニング、(5)ウシガエル幼生皮膚におけるカルシウム沈着・蓄積のパターン解析、(6)両生類培養細胞における形質転換、(7)ウシガエルコラゲナーゼ遺伝子上流に見いだされた甲状腺ホルモン応答配列の転写制御活性の定量的解析。
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