研究概要 |
本研究計画の初年度にクローン化したウシガエルI型コラーゲンのα1,α2鎖cDNAを用いて各組織における発現レベルをin situ hydridization法により解析した。この結果、ウシガエル幼生尾部におけるI型コラーゲンのα1,α2鎖遺伝子の発現は、真皮層のみならず表皮層においても、本遺伝子を発現している細胞が局在していることが明らかとなった。これまでは、ウシガエル皮膚において、コラーゲン遺伝子は真皮層の細胞においてのみ発現が見られ、表皮細胞における発現は見られないとされていた。今回我々が得た結果は、ウシガエル要請の表皮細胞においてI型コラーゲン遺伝子が発現していることを示す初めての証拠である。 昨年度得られた結果より、アフリカツメガエルのカテプシンゲノム遺伝子の転写開始点上流域存在する甲状腺ホルモン応答配列に類似する配列(TRE-lile sequence)の機能に関する解析を実施した。このTRE-lile sequenceが実際に甲状腺ホルモンレセプター(TR)と結合しうるか否かを明らかにするために、Gel Mobility Shift Assayを実施した。その結果、甲状腺ホルモンレセプターβとレチノイド Xレセプターのホモダイマーである複合体分子が、このTRE-lile sequenceに結合することが明らかになった。この結果も昨年度得られた結果同様に、カテプシンD遺伝子が甲状腺ホルモンの直接支配下にある可能性を示唆している。
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