研究概要 |
本年度は本研究の最終年度であるため,そのまとめを含め次のような研究を実施した。 1. 前年度から進めている生体表面の変位・ひずみ,温度分布データより,生体内硬組織の力学的挙動を推定する方法論を、3次元FEMと大規模最適化法の組合せによって確立する研究を行った.具体的には,まず3次元硬組織解析システムとして,3次元CTによって生体から求められる硬組織の立体モデルをCADシステムで作製し,それを基本形状モデルとし,次にそれにPATRANやANSYSのシステムを結合して,変位・応力・ひずみを容易に解析するシステムを作った.一方,最適化手法としては推定対象モデルの複雑性,大規模性を考慮して,最適性規準法,GA法およびCA法の有効性を調べた.その結果GA,CA法の利用が良く,これらと3次元解析システムの結合を図った. 2. 1のシステムを用いた医学的臨床応用例として,骨折治療用の創外ステム利用者に対し,そのステムに生ずるひずみ分布より,骨折部の治癒進行状況の推定を行った.特に骨折部の弾性,超弾性的特性が,いかに外部測定ひずみデータによって推定可能かを,実験を行うことによって明らかにした. 3. 本研究成果の学会での講演発表や,学会論文への投稿および成果報告書の作成を行った.
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