研究概要 |
昨年度試作した多層超薄膜形成装置に試料導入系、ターゲット駆動制御機構を組込み、形状記憶合金やバイメタルの基本材料であるNi, Ti, Feなどの金属薄膜を形成実験を行った。サブnmの金属膜の形成と2種の金属のサブnmの厚さの合金属膜超薄膜を形成できた。この装置では高温Kセルを採用することで0.01nm/mirの高精度で膜の成長速度速度を制御でき、したがって、同時蒸着法を採用することで高精度な膜の組成制御が可能である。低温の基板に形成した膜は結晶粒径10nm以下の微細結晶構造で、基板温度とKセル温度を制御することによりさらに微細な結晶粒の膜や粒径を成長させた膜など膜の組織制御が期待できる。積層構造のTi-Ni形状記憶合金薄膜、同時蒸着法でインバー薄膜を形成し、膜組成、構造など物性評価を行った。 フォトンエネルギーの高いArFエキシマレーザ光(波長193nm)をつかってAl2O3, TiO2, PbO, BaTiO3のターゲットについて10nmレベルの厚さの膜の形成実験を行った。厚さ5nmの結晶粒の大きいAl2O3膜を、基板温度600℃でペロブスカイト構造のBaTiO3薄膜を形成できた。現在、イオンガンを導入して膜のス イキオメトリイの制御、特にO2の添加の可能性とイオン照射による薄膜の結晶化効果の可能性の実験を推進している。また、金属-セラミックス積層膜の形成実験を行う。これら一連の研究により次年度初頭にはマイクロアクチュエータのための膜形成基礎研究が達成する。 別の手法で形成したTi-Ni形状記憶合金膜を使ったポンプなどマイクロアクチュエータの基本特性の評価を行った。
|