研究概要 |
測定器の比較を行うのにあたり,1.82m×1.82mの正方コイルを4層直列配置した磁界発生コイルを2組製作した。この磁界発生装置は,周波数10Hz〜5kHzの間で3μT〜500μTの範囲の磁界を発生させることが可能である。 アモルファスワイヤを用いた磁界測定器を試作し,市販されている磁界測定器2種と性能を比較検討した。今回はアモルファスワイヤをセンサーとして用いて磁界の測定器を試作し,サーチコイルおよびホール素子をセンサーとした磁界測定器と比較検討を行った.その結果,試作したアモルファスワイヤによる磁界測定器は送電線下や変電所周辺の磁界強度レベルの0.1μ〜20μTrmsの範囲で,直線性を有していることが分かった。またサーチコイルによる磁界測定器やホール素子をセンサーとした磁界測定器はこの範囲よりも大きな磁界強度まで直線性を有していることが分かった。 この試作した磁界測定器は,周波数特性についても10Hz〜5kHzでフラットな特性を有していることがわかった。したがって,アモルファスワイヤを用いた磁界センサーは,商用周波数のみならず電力設備で発生する各種高周波磁界現象の測定への利用が期待できる。
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