研究課題/領域番号 |
07405017
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 茂夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026231)
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研究分担者 |
川上 養一 京都大学, 工学研究科, 助手 (30214604)
船戸 充 京都大学, 工学研究科, 助手 (70240827)
藤田 静雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20135536)
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キーワード | 光触媒反応 / ZnCdSSe / 不純物添加 / 反応素過程 / 欠陥制御 |
研究概要 |
本研究は、化合物半導体の結晶成長における新しい光化学反応であるとしてわれわれが先に見いだした表面光触媒反応に関して、反応のダイナミクスの解明し、それを制御し、多くの半導体気相成長や不純物添加における光触媒反応の発現を図る、ことを目的として行ったものである。以下に、本年度の研究で得られた結果を示す。 1.成長中の質量分析の結果から、成長層中に励起された過剰キャリアの効果によって、アルキル亜鉛の分解反応が促進される過程が明らかになった。キャリアが反応に至るダイナミクスを短パルス光照射によって調べることを計画していたが、質量分析系の時定数が大きすぎて困難であることがわかった。そこで、パルス光照射条件をパラメータとして成長速度を調べる方法で、msレベルの長い時定数の存在を明らかにした。 2.ZnCdSSe成長の初期段階における成長速度の照射光波長依存性を詳細に調べた。数分子層までの成長では、熱エネルギーと成長層下地が関与した光触媒反応が、それ以上では成長層自身の関与した光触媒反応が主な機構であることが明らかになった。また、GaAsやGaNの成長においては、顕著な光触媒反応が観測されなかった。このことは、表面に生成されたキャリアの反応への緩和よりも再結合速度が速いこと、III族原料の酸化・還元準位が禁制帯中に無いことなどが理由として考えられる。 3.応用上の特色があるp型のZnSeの光・電子物性を調べ、主にZn空孔が物性上の問題をもたらすことがわかった。これを抑えることにより、ZnCdSe/ZnSSe量子構造の電流注入誘導放出を観察し得た。
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