研究課題/領域番号 |
07405021
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森泉 豊榮 東京工業大学, 工学部, 教授 (80016534)
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研究分担者 |
斎藤 敦史 東京工業大学, 工学部, 助手 (30280994)
中本 高道 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20198261)
野村 徹 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50052858)
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キーワード | マイクロストリップライン / 比誘電率、導電率 / LB膜 / 膜塗布くし型電極 / 味センサ |
研究概要 |
本年度は、マイクロストリップライン構造を用いた水の誘電率、導電率測定プローブの作製・特性評価、および分子膜塗布くし型電極を用いた味センサの作製・特性評価を行った。 前年度くし型電極を用いて1MHz〜40MHzの周波数範囲において、飲料水の比誘電率・導電率をインピーダンス測定結果から算出できることを報告したが、より高周波での測定は寄生インピーダンスの影響から困難であることが分かった。そこで本年度は、より単純な構造を持ち、計算による見積りが容易な純粋なマイクロストリップラインを比誘電率・導電率の測定プローブとして用いることにした。文献値などを用いマイクロストリップラインのインピーダンス計算を行い、実際の測定値と比較したところ、約1GHz程度まで、良い一致を得ることができた。 味センサにおいては、くし型電極上に脂質、タンパク質、超分子膜等をLungmuir-Blodgett(LB)法により塗布して、味センサを作製した。作製した味センサは、電極上の膜のインピーダンス、および膜界面のインピーダンスを測定することによって味物質を件室使用と言うものである。ここでは、電極自体のインピーダンスと膜および界面のインピーダンスの大小関係が検出限界に影響してくる。そこで、電極形状、寸法を変えることにより、電極のインピーダンスを容易に変えることのできるくし型電極を用いた。実験では、味物質、特にこれまでの味センサでは測定が困難であった糖の検出を試みた。結果として、低濃度の糖を検出することは困難であったが、100mM以上の濃度であれば検出ができることを確認した。低濃度糖水溶液での糖検出は困難であったが、上述したように、電極自体のインピーダンスと膜および界面のインピーダンスの大小関係を突き詰めることで検出が可能になると考えている。 その準備として、膜塗布くし型電極を等価回路で表わすことを検討した。その結果、等価回路で表わすことに成功し、等価回路の種々のパラメータが糖水溶液濃度に依存して変化することを確認した。このパラメータをモニタすることにより、水溶液のより詳細な情報を得ることができると考えている。両実験共、来年度引き続き検討を行っていく。
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