研究分担者 |
五十嵐 晃 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80263101)
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187293)
田村 武 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026330)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
家村 浩和 京都大学, 工学研究科, 教授 (10026362)
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研究概要 |
土木構造物の耐震設計に際して用いるべき設計加速度が最近,次第に高く設定される傾向にあり,構造物の長大化とあいまって従来の設計法では,部材の設計が不可能になったり,既存の土木構造物の耐震性能に不足が生ずるような事態が発生している。そこで,本研究では設計外力を大幅に減少できる構造として,制震構造を適用する場合に有効な制震構造とはどのようなものであるか,長大橋梁や原子力発電施設,さらには海上浮体空港などに制震構造を適用する場合にどのような制震装置が必要であるか,さらにそれを制御するためのアルゴリズムの問題点を抽出するとともにその解決法を提案することを目的としている。 本研究による研究成果を以下に列挙する。 1. 浮体構造物に対して各種の制震機構を考案し,浮体構造の波浪に対する振動制御効率の相互比較を行った。 2. 大規模構造物系を対象とした構造物の弾塑性領域における耐震性の検討を目的として,種々の制震容量の下での数値実験を実施した。 3. 不規則外乱の振幅特性のみならず,位相特性が,制震装置を有している構造系の応答におよぼす影響を詳細に検討した。このために入力の影響を実時間で評価できる制御則を新しく誘導するとともに,可変減衰装置を試作して減衰力の制御システムを構築した。このシステムを用いて実時間ハイブリッド震動実験を実施し,震動制御が有効であることを確かめた。 4. 以上より,長大構造物,浮体構造物等に対する有効な震動制御即に関する知見を取りまとめた。
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