研究概要 |
本研究では,人工リ-フの消波効率の増大,施工性の向上,水産協調型構造の造成などを目的として, 式離岸堤を提案し,その水理特性の解明を目的とする.これまで,2次元造波水路を用い縦型1基を設 態で実験等を行ってきた.今回は,現地への適用性を検討するための3次元実験として,平面水槽内に 複数の縦型離岸堤に斜め波が作用する状態について実験ならびに数値解析を行い,特に数値計算の妥当 に比較検討を行った.得られた結果の概略および結論は以下の通りである. 1)平面水槽に3基の縦型傾斜式離岸堤を設置し,斜め入射の規制波および不規則波4ケースについて 動及び流速の測定を行った.縦型傾斜式離岸堤により,波高が効果的に減衰されることが確認でき も比較的大きくなり,外海との海水交換に効果的があることが確認された. 2)放物型波動方程式に砕波減衰を取り入れた2次元波浪・海浜流モデルを構築し,上記の実験結果と 行った.波高分布については実験結果と良く一致していた.海浜流の分布についても,特に天端上 波により形成される岸向きの強い流れや,離岸堤間の沖向き流れなどが良好に再現されていた. 3)不規則波においては比較的簡単な確率モデルを導入し数値計算を行ったが,実験値とかなり整合す 得ることができ,本数値モデルが縦型傾斜式離岸堤の水理機能の基礎的検討に十分適用可能である かった. 4)縦型離岸堤を7基設置した場合の海浜流を数値計算によって評価した.離岸堤設置前に比べ大幅に 少しており,この形式の離岸堤の海浜保全機能が高いことが確認された.
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