研究概要 |
溶液と基板あるいは基材との界面化学反応によって必要な物質を必要な箇所に、薄膜や厚膜などとしてその場(insitu)に作製するというプロセスを開発することを目的として、本研究は水熱反応のみならず電気化学反応なども利用した以下の5つの研究を行った。 (1)チタン合金をCa2+を含むアルカリ溶液中で反応させると表面にCaTi03膜が生成する。 (2)チタン金属基材をBa2+またはSr2+,Ca2+を含むアルカリ溶液中で処理するとBaTi03,SrTi03,CaTi03あるいはそれらの固溶体が膜状に生成する。この時チタン金属多孔体や圧粉体を用いると孔の内面が一様に酸化物で覆われる。 (3)タングステン基板をBa2+やCa2+を含むアルカリ水溶液中で電気化学処理するとBaW04やCaW04の結晶が膜状に生成する。これらの膜は結晶性に優れ、そのままでも蛍光体として作動する。 (4)Si-C-0系、Si-Ti-C-0系の繊維や他の炭化物基材を数百度の熱水で処理すると表面に緻密なカーボン膜が生成し炭化物/炭素複合体となる。 (5)Ca錯体とリン酸との水熱条件下の反応により水酸アパタイトウィスカ-が生成する。条件を制御することにより、形状をコントロールできる。
|