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1995 年度 実績報告書

金属-絶縁グラニュラ合金のトンネル伝導と新奇な巨大磁気抵抗効果の機能材料学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07405030
研究種目

一般研究(A)

研究機関東北大学

研究代表者

藤森 啓安  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005866)

研究分担者 大沼 繁弘  (財)電気磁気材料研究所, 研究員 (50142633)
嶋 敏之  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50261508)
小尾 俶久  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80005925)
高梨 弘毅  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00187981)
三谷 誠司  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20250813)
キーワードグラニュラ合金 / トンネル伝導 / 巨大磁気抵抗 / Co-Al-O / 超常磁性 / トンネルバリア / 磁気結合 / 磁気異方性
研究概要

金属-絶縁グラニュラ合金は、磁性金属粒と絶縁体粒界相からなり、電気伝導は特有のトンネル効果によっている。この系における巨大磁気抵抗は、近年盛んに研究されている一連の巨大磁気抵抗(GMR)の中でも全く新しいものであり、物理的新奇性と応用上の両方から極めて注目されている。そこで本研究初年度には、基礎的振舞いを捉えることに主眼をおき研究し、以下の成果を得た。
(1)高周波スパッタ装置により、Co-Al-Oグラニュラ合金に加えて、新たにCo-Si-O,Co-Mg-O,Fe-Al-O,Fe-Si-O,Fe-MgO,Fe-RE-O(RE:Rare Earth),CoFe-Al-O系の試料を作製した。これらにより、酸素との化学親和力がグラニュラー構造を決定する主要因子であることが分かった。また、磁性相のスピン分極率の立場からは、Fe系の方が大きなGMRを示すことが予想されたが、Fe酸化物の生成を示唆する特異な振舞いが見出され、この影響により現在のところ明確な結論は得られていない。
(2)電子顕微鏡によるナノ構造解析の結果から、磁性金属粒と絶縁体相の境界が明瞭で、かつ、磁性金属粒サイズおよび絶縁相厚が小さいものほど大きなGMRを示すことが分かった。
(3)電気抵抗の温度変化の解析より、比抵抗に比較して、そのトンネル活性化エネルギーが大きい場合に大きなGMRを示すことが分かった。このことは、明瞭な相分離構造や薄い絶縁相等によって理解され、ナノ構造解析の結果と一致している。
(4)磁化過程の詳細な測定・解析により、隣合う磁性粒子間の磁化はほとんど結合していないことが分かった。すなわち、これらのグラニュラー構造薄膜はある臨界温度以上で超常磁性、以下で磁気異方性によるランダムな磁化状態となり、外部磁場により磁化が揃えられる過程でGMRを生じている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Fujimori: "Tunnel-Type GMR in Co-Al-O insulated granular system-Its oxygen-concentration dependence" Journal of Magnetism and Materials. (in press).

  • [文献書誌] H.Fujimori: "Spin-dependent tunneling effect and GMR in metal-nonmetal granular system(invited)" Journal of Applied Physics. 79(in press). (1996)

  • [文献書誌] S.Ohnuma: "High frequency magnetic properties in Metal-Nonmetal Granular films" Journal of Applied Physics. (in-press).

  • [文献書誌] 大沼繁弘: "Co-Al-O系グラニュラー構造膜の高周波軟磁気特性" 日本応用磁気学会誌. 20(in-press). (1996)

  • [文献書誌] Y.Hayakawa: "Microstructure and magnetoresistance of Fe-Hf-O film with high electrical resistivity" Journal of Magnetism and Magnetic Matenals. 154(in-press). (1996)

  • [文献書誌] 早川康男: "高電気抵抗Fe基ナノ結晶薄膜の磁気特性と磁気抵抗効果" 日本応用磁気学会誌. 20(in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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