研究概要 |
クロロフクオロカーボン分解用触媒:クロロフクオロカーボンの加水分解用アモルファスNi-Zr合金へのリン,モリブデンおよびタングステンの添加が触媒の活性・耐久性を向上させ,特に,リンの添加が有効であることが明らかとなった.また,活性を維持させるには水蒸気量を化学量論量を制御する必要性が明らかとなり,またアモルファス合金から反応中に活性種であるジルコニウムオキシフッ化物を生じ,これが均一に分散した触媒に変わることが活性の維持に必要である. 海水電解用電極触媒:二酸化マンガンにMo^<6+>およびW^<6+>イオンを添加した複酸化物電極をアノード電着法により作製し,これが海水電解用アノードとしてほぼ100%の効率で酸素発生し,塩素をほとんど発生しない初めての電極であることが明らかとなった.また,海水電解用カソードとしてのスパッタCo-Mo合金へのアルミニウムの添加は電極有効表面積の増大をもたらし,過電圧の低減に効果的であった. NOx分解用触媒:アモルファスNi-Ta-Pd合金への少量の鉄の添加がNOx分解活性の向上に有効であった.アモルファス合金を酸化して得られるNiTa_2O_6複酸化物のニッケルの一部を鉄で置換したことによる電子状態の変化が活性の向上をもたらしたと考えられる. CO_2のメタン化触媒:サマリウムを添加したアモルファスNi-Zr合金を酸化還元して得られる触媒触媒活性を評価したところ,ニッケルリッチな合金に対してのサマリウムの添加は活性向上に有効な正方晶ZrO_2を安定化し,さらに比表面積を増大させることにより触媒活性を大きく上昇させることが明らかとなった.また,この触媒はCOおよびCO_2の同時メタン化に対しても高活性高耐久性を示し,硫化水素による被毒の影響もないことから,炭化水素改質ガスのメタン化による都市ガスの高カロリー化触媒としても利用できることが明らかとなった。
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