研究概要 |
本研究は、超臨界水中での反応晶析機構を解明することを目的とする。 流通式反応器を用いた研究においては、超臨界水中での反応に寄与する因子を調べるため、同一密度下での、温度、初期pHの粒子成長に与えるについて実験的に検討をおこなた。その結果、pHの影響が大きいことがわかった。密度モデルを用いて高温場の金属イオンの溶存化学種濃度を求め、実験結果との検討を行ない、そ化学種の分布が成長に寄与してことが示唆された。今後、実際の反応場での濃度分布の測定により、詳細を検討する。 SPCモデルに結合原子OH間の非調和振動Morsc関数と非結合原子HH間の反発項{Urey-Bradley力場)を用いたTaukanとRahmanらのモデル(TRモデル)を採用し,分子動力学シミュレーションを行った。動径分布関数からは温度上昇とともにイオン周囲の水分子の分布頻度が低下するが,これはNa+よりはCl-のほうが顕著であった。さらに,水和分子の安定性について調べたところ,Na+については水和分子の絶対数は常温に比較すると超臨界状態ではかなり少ないが安定性については,ほとんど同じであるという結果が得られた。 誘電率については,450°Cまで測定可能な流通式誘電率測定装置を作製し,水(超純水)とメタノール,エタノール,1-プロパノール(純度各99.5%)の各二成分系で,温度62°C〜65°C,蒸気圧下で測定した。文献値との比較から健全性を確認し,次に静的誘電率ε0,緩和時間logτ(ps)の水のモル分率Xw依存を検討したところ、水のモル分率Xw=0.8近傍において局所構造の変化が生じていると考える。今後、水熱条件下更には超臨界状態での測定から局所構造と温度の関係を検討する。
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