研究課題/領域番号 |
07405036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新井 邦夫 東北大学, 工学部, 教授 (10005457)
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研究分担者 |
伯田 幸也 東北大学, 工学部, 助手 (30250707)
SMITH Richard Lee 東北大学, 工学部, 助教授 (60261583)
猪股 宏 東北大学, 工学部, 助教授 (10168479)
阿尻 雅文 東北大学, 工学部, 助教授 (60182995)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 超臨界水 / 反応晶析 / 酸化物微粒子 / 溶液構造 / 誘電率 / MDシュミレーション |
研究概要 |
本研究は、超臨界水中での反応晶析機構を解明することを目的とする。超臨界水中での溶液構造と晶析機構の関係を調べるために、SPCモデルに結合原子OH間の非調和振動Morse関係と非結合原子HH間の反発項を用いたTaukanとRahmanらのモデル(T,R,モデル)を採用し、分子動力学シミュレーションを行った。モデル系としてNaCl-水系を採用した。動径分布関数からは、温度上昇とともにイオン周囲の見ず分子の分布頻度が低下するが、これは、Na^+よりはCl^-の方が顕著であった。さらに水和分子の安定性について調べたところ、Na^+については、水分子の絶対数は常温に比べて超臨界状態ではかなり少ないが、安定性についてはほとんど同じであるという結果が得られた。誘電率測定については、まず450℃まで測定可能な流通式誘電率測定装置を作成を行い、水とメタノール、エタノール、1-プロパノールの各二成分系で、温度62℃〜65℃、蒸気圧下で測定した。文献値との比較から装置の健全性を確認し、次に静電誘電率_<ε0>、緩和時間log τ(ps)の水のモル分率依存を検討したところ、水のモル分率x_w=0.8近傍において、局所構造の変化が生じていることがわかった。これにより水熱条件下での誘電率測定する技術の基礎が確立できた。流通式反応装置を用いて、亜臨界(300℃)、超臨界(400℃)条件での金属イオンの転化率および生成物の経時変化を調べた。その結果、(1)超臨界条件では加水分解反応が極めて速いこと、(2)加水分解反応で生成した中間体が粒子の成長に寄与していることがわかった。超臨界条件ではその中間体の溶解度が極めて小さいために粒子成長は起こらず、超微粒子(数10nm以下)が生成することがわかった。
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