研究課題/領域番号 |
07405038
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高木 誠 九州大学, 工学部, 教授 (90037739)
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研究分担者 |
藤原 勇 山口大学, 農学部, 助手 (40190087)
宮島 徹 九州大学, 理学部, 助教授 (40128103)
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
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キーワード | 鋳型重合 / ラテックス / 分子認識 / 高分子電解質 / 表面構造 / 金属イオン |
研究概要 |
近年、分子認識を中心にして人工のホスト分子を積極的に設計・合成していく分野が急速に拡大している。我々の開発した新しい分子刷り込み法は、ラテックス粒子の表面一層に分子鋳型をつくる手法である。 本研究の遂行にあたって、まず乳化条件と重合後のラテックス粒子の表面構造を系統的に関係づけることが何としても必要である。したがって初年度である7年度は、鋳型ラテックスの開発研究はしばらくとどめ、重合時に鋳型分子を加えない系おいての基礎的検討を行った。 機能性モノマーとしてオレイン酸を用いて、種々の条件で重合を行った。具体的には、仕込みの官能基量、重合時のpH、重合開始方法等を変化させた。これらの組み合わせにより合成した樹脂それぞれについてプロトン滴定、ゼータ電位測定、さらに金属イオン吸着試験等を行った。その結果、官能基量が増大するにしたがってpKaの上昇とブロード化が見られた。この結果は官能基が2次元的に存在することを間接的に確認したものと思われる。また、樹脂表面官能基量は重合時のpHに大きく影響を受けた。一般にpHが高い方が表面官能基量が増大する傾向にあるが、今後鋳型分子との錯形成をも考える際に最適pHを見いだす必要がある。 樹脂のプロトン滴定の結果から、予想通りpKaのブロード化が明確に確認された。これは官能基どうしが強く相互作用していることを示唆し、官能基が2次元的に存在する証拠の一つである。これは我々が用いる樹脂の大きな特徴であり、本研究の基盤をなすものである。しかしながら、pKaのブローグ化が予想以上の程度で起こったため、逆にプロトン滴定による表面官能基量の測定を困難にしている。現在、別な手法による表面官能基量測定を検討中である。
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