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1996 年度 実績報告書

ラテックス重合による新しい分子刷り込み法-鋳型樹脂の表面構造の基礎的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 07405038
研究種目

基盤研究(A)

研究機関九州大学

研究代表者

高木 誠  九州大学, 工学部, 教授 (90037739)

研究分担者 藤原 勇  山口大学, 農学部, 助手 (40190087)
宮島 徹  九州大学, 理学部, 助教授 (40128103)
前田 瑞夫  九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
キーワード鋳型重合 / ラテックス / 分子認識 / 表面構造 / 分子刷り込み
研究概要

近年、分子認識を中心にして人工のホスト分子を積極的に設計・合成していく分野が急速に拡大している。我々の開発した新しい分子刷り込み法は、ラテックス粒子の表面一層に分子鋳型をつくる手法である。
初年度は、エマルションの安定性や重合条件に関する基礎的検討、および得られた樹脂の基本的性質に関する知見を得るために、鋳型分子を加えない系で重合を行った。本年度は前年度に行った基礎的検討結果を踏まえた上で鋳型重合を行い、その樹脂の吸着挙動について検討を行った。ラテックス合成は前年度と同様に、カルボキシル基を持つ機能性モノマーであるオレイン酸と二官能性モノマーであるジビルベンゼンを、水中で超音波照射によりエマルションを形成させてから重合した。鋳型分子としては電荷を持つ有機化合物であるアミノ酸誘導体を選んだ。
合成したL-Phe鋳型樹脂および非鋳型樹脂のL-PheOMe吸着能を比較した。その結果、L-Phe鋳型樹脂は非鋳型樹脂に比べ、L-PheOMeに対して高い吸着能を有することが示された。このことより、L-Phe鋳型樹脂の表面にはL-PheOMeを特異的に認識するサイトが存在することが示唆された。
次に、L-Phe鋳型樹脂によるアミノ酸認識における基質特異性について検討するために、鋳型分子と構造の異なるL-ValOMeの吸着特性を調べた。その結果、L-Phe鋳型樹脂は非鋳型樹脂よりも、L-ValOMeに対しては低い吸着能しか有していないことが明らかとなった。したがって、L-Phe鋳型樹脂はL-Pheを選択的に認識することが示された。
さらに、この樹脂がPheの光学異性体を認識するかについても検討を加えた。しかしながら、L体とD体の間に吸着量の顕著な差は観測できず、今回行った重合条件では光学認識能を持つ鋳型樹脂を得ることはできなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] I.Fujiwara: "Ferrocyanide-Templated Resins Prepared by Surface Template Polymerization" Anal.Sci.12. 545-549 (1996)

  • [文献書誌] K.Tsukagoshi: "Preparation and Characterization of Polymer Microspheres Which Have Specific Binding Ability for Saccharide Molecules" Anal.Sci.12. 721-726 (1996)

  • [文献書誌] 塚越一彦: "界面を利用する鋳型樹脂の合成とキャラクタリゼーション" 分析科学. 45. 975-986 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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