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1995 年度 実績報告書

カーボン及び窒素置換ナノチューブの特異な電子物性と分子ソレノイドに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07405039
研究種目

一般研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

山邊 時雄  京都大学, 工学研究科, 教授 (80025965)

研究分担者 御崎 洋二  京都大学, 工学研究科, 助手 (40135463)
田中 一義  京都大学, 工学研究科, 助教授 (90155119)
キーワードナノエレクトロニクス / カーボンナノチューブ / 分子ソレノイド / パイエルス転移 / 超伝導転移 / 電子スピン共鳴
研究概要

本研究では、カーボン及び窒素などから成るナノスケールのチューブについて、その電子物性を実験的並びに理論的に解析し、新規な分子ソレノイドを中心とする、ナノエレクトロニクスに対する新しい物質を設計・創出することを目的とする。平成7年度には下記の研究を実施した。すなわち、従前の簡単な理論的解析によれば、金属的物性を有すると期待されるカーボンナノチューブ群が存在するが、一方、本研究で取り扱うナノチューブのような低次元系金属的物質には、常に金属-絶縁体転移(パイエルス転移ともいう)の可能性が随伴する。
以上のような背景をもとに、直径7A程度の金属的カーボンナノチューブについて、そのパイエルス転移温度と超伝導転移温度の見積りを行った。ハミルトニアンとしては、通常の電子-フォノン相互作用項を含めたものを用いた。その結果、パイエルス転移温度は9.1Kであること、また0Kにおけるエネルギーギャップは0.001eVのオーダーであることが分かった。さらに、超伝導転移においては、縦音響フォノンモードによるバンド内後方散乱が重要であることが分かったものの、その転移温度は0.0001Kと非常に低いことが予言でき、事実上、このチューブは超伝導転移を起こさないという結論が得られた。さらに実験的研究としては、種々のカーボンナノチューブ原料から、液相酸化法のような精製を行う方法を確立しつつあり、この精製カーボンナノチューブの電子物性について本年度購入した電子スピン共鳴装置を用いて解析を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T. Yamabe: "Recent Development of Carbon Nanotubes" Synehtic Metals. 70. 1511-1518 (1995)

  • [文献書誌] T. Yamabe: "Estimation of Peierls Transition Temperature in Metallic Carbon Nanotube" Solid State Communications. 97. 303-307 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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