• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

「官能性有機ケイ素化学」構築のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 07405043
研究種目

一般研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

玉尾 皓平  京都大学, 化学研究所, 教授 (60026218)

キーワード(アルコキシシリル)リチウム / シリレノイド / (アルコキシ)オリゴシラン / 骨格転位 / シリレン / 高配位ケイ素化合物
研究概要

7年度は主に、以下の3点についての知見を得た。
(1)シリレノイド化学
シリレノイド化学についての初めての知見を得た。まず、ヘテロ原子置換基としてアルコキシ基を有する、(アルコキシシリル)リチウムの生成に初めて生成した。(アルコキシシリル)リチウムは、-78°Cでは求核性のみを示した。これに対して、0°Cでは速やかに自己縮合を起こした。また、外部求核剤であるブチルリチウムとも反応した。このように(アルコキシシリル)リチウムが、求核性と同時に求電子性を有すること、すなわちシリレノイドとしての性質を有することを明らかにした。
(2)パラジウム触媒を用いた(アルコキシ)オリゴシランの骨格転位
従来法では合成が困難であった、ポリ(アミノ)オリゴシランおよびポリ(アルコキシ)オリゴシランの効率的な合成法を開発した。さらにポリ(アルコキシ)トリシランおよびテトラシランが、パラジウム触媒存在下で骨格転位を起こすことを見いだした。この反応では内部のシリレン部位が末端へ転位する。例えば1,2,2,3-テトラ(メトキシ)トリシランは定量的に1,1,1,3-異性体に変化した。重水素ラベル実験により、反応機構についての考察をおこなった。
(3)5配位(アルコキシ)ジシランの合成、構造および反応性
5配位(アルコキシ)ジシランの合成に成功するとともに、このX線結晶構造解析をおこない、構造上の特徴を明らかにした。この(アルコキシ)ジシランは温和な条件下で熱分解を起こし、シリレンを生成した。このシリレンをアセチレンで捕捉することにより、5配位ジシラシクロブテンを得ることに成功した。さらにこのX線結晶構造解析をおこなった。対応する4配位(アルコキシ)ジシランは同条件下では安定であり、シリレンを与えなかったことから、官能性5配位ジシランの特異な反応性が明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kohei Tamao, Atsushi Kawachi: "The Chemistry of Silylenoids : Preparation and Reactivity of (Alkoxysilyl) lithium Compounds" Angew. Chem., Int. Ed. Engl.34. 818-820 (1995)

  • [文献書誌] Kohei Tamao, Gaung-Ri Sum, Atsushi Kawachi: "Palladium-Catalyzed Skeletal Rearrangement of (Alkoxy) oligosilanes via Silylene Transfer" J. Am. Chem. Soc.117. 8043-8044 (1995)

  • [文献書誌] Kohei Tamao, Koichi Nagata, Masahiro Asahara, Atsushi Kawachi, Yoshihiko Ito, Motoo Shiro: "Remarkably Facile Thermal Generation of Silylene from a Pentacoordinate Alkoxydisilane and Its Trapping as a Pentacoordinate 1, 2-Disilacyclobut-3-ene" J. Am. Chem. Soc.117. 11592-11593 (1995)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi