研究課題/領域番号 |
07405044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
砂本 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (80037811)
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研究分担者 |
奥村 幸久 信州大学, 工学部, 助教授 (40243042)
秋吉 一成 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90201285)
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キーワード | 膜タンパク質移行 / リポソーム / 赤血球細胞膜 / ガングリオシド / 細胞内カルシウム / T細胞活性化 |
研究概要 |
1.脂質膜間タンパク質移行による他細胞膜への膜タンパク質組み込み本年度は、接着タンパク質カドヘリンを再構成したリポソームによるF9テラトカルシノーマ細胞間の接着形成阻害について詳細な検討を行った。まずゲル電気泳動ならびに抗E-カドヘリンモノクローナル抗体を用いたウェスタンブロッティング解析によってリポソームに再構成されたE-カドヘリンの存在が確認された。さらに、1)トリプシン処理したカドヘリン再構成リポソームと細胞との相互作用解析、2)モノクローナル抗体を用いたリポソーム上のカドヘリンのマスキング、3)カドヘリンを含まない膜タンパク質再構成リポソームとの比較対照実験を行うことにより、その接着形成阻害が一方のリポソーム側のE-カドヘリンが他方の生きた細胞側のE-カドヘリンを特異的に認識して結合することにより行われていることが明らかとなった。カドヘリンなどの膜タンパク質を機能を有したまま脂質膜間を移行させる手段として本手法が有効であることが示された。 2.糖鎖の関与する情報伝達機構をとおしての細胞機能制御種々のガングリオシドおよびガングリオシドアナログを組み込んだリポソームがT-細胞を効率よく刺激することをこれまで明らかにしてきた。本年度は、その増殖活性を調べたところ、天然のガングリオシドよりも、そのアナログ脂質であるシアリルコレステロール含有リポソームにおいて高い増殖活性が認められた。その際、リポソームに組み込まない系では全く活性が認められず、リポソーム系の有効性が明らかになった。
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