研究課題/領域番号 |
07405045
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
安部 明廣 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50114848)
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研究分担者 |
平岡 一幸 東京工芸大学, 工学部, 講師 (50267530)
植松 淑子 東京工芸大学, 工学部, 教授 (80064260)
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キーワード | 主鎖型液晶 / 秩序-無秩序転移 / PVT特性 / 定容転移エントロピー / コンホメーション・エントロピー / スペーサー・コンホメーション / 二成分混合系相図 / キラル・スペーサー |
研究概要 |
本年度は主として、下記3項目について研究を行った。 (1)主鎖型液晶のPVT測定 7年度科学研究費補助金により購入したGNOMIX社製PVT測定装置により、二量体液晶NC¢¢O(CH_2)_nO¢¢CN(CBA-n)(n=9、10)および三量体液晶NC¢¢O(CH_2)_nO¢¢O(CH_2)_nO¢¢CN(BO-n)(n=9、10)に関するPVT測定を完了した。先に報告した二量体液晶のエントロピー計算に誤りを見つけ訂正した。主鎖型液晶の熱力学的性質がスペーサーのコンホメーションによって大きな影響を受けていることを指摘した。 三量体液晶の構造の確認と、転移に与える分子量分布の影響をみるため、一、二、三量体液晶のいろいろな組合せについて二成分系相図を作成した。単量体液晶との混合系において、二、三量体のメソゲンの配向秩序度が単量体よりも低いことが^2HNMR/RIS解析より導かれ、液晶の分子配列を知る上で有力な手がかりとなった。なお、高圧DTAによるNI転移点の圧力依存性については、工技院物質研の前田博士の協力を得て実施中である。 (2)ポリイミド型液晶高分子ならびにエーテル型四量体液晶の合成 これらの合成実験は予定通り進まず、PVT測定に要する分量(〜1gr)の確保がまだできていない。とくに前者は重合度も上がりにくく、あきらめざるを得ない状況にある。後者は時間の問題であり、実験は続行中である。 (3)スペーサーの立体化学-不整炭素を有する主鎖型液晶のコンホメーション計算と合成 上記(1)から導かれる結果は、等方相-異方相中でのスペーサーのコンホメーション変化が、転移エントロピーの過半を占めることを強く示唆するものである。これを踏まえ、プロピレングリコールの頭-頭結合体に対応する二つの立体異性体(S、S)、(S、R)を個別に合成し、両端にメソゲンを配して、スペーサーの立体配置と液晶性の関連を考察した。
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