イメージセンサと液晶表示素子を一体化した即時画像処理システム

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07405051
• 研究種目: 一般研究(A)
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 小柳 光正 東北大学, 工学部, 教授 (60205531)
• 研究分担者: 柳 基鎬 東北大学, 工学部, 助手 (20270811) ; 江刺 正喜 東北大学, 工学部, 教授 (20108468)
• キーワード: 画像処理 / スマートピクセル / 液晶表示素子 / イメージセンサ / ウェーハ張り合わせ / SOI

研究概要

2次元の動画像をそのまま2次元画像情報として取扱い、入出力画像間で複雑な演算処理をリアルタイムで実行できるような新しい画像処理システムの概念設計を行った。このシステムは、イメージセンサと液晶表示素子を一体化したセル(スマートピクセル)を2次元状に配置したパネルから成る入出力層と、画像演算処理を行うための簡易的な画像プロセッサをアレイ状に配置したプロセッサ層を積層化した構成となっているが、その基本となるスマートピクセルと基本回路をCADを用いて設計し、基本動作特性の評価を行った。また、これらの回路を構成する基本素子であるSOIトランジスタを試作し、その特性を評価した。最終的にはこれらの素子を搭載したシリコンウェーハを化学的機械研磨(CMP)により薄くしてガラス上に接着する必要があるが、そのための基本技術の検討も行った。具体的には、シリコンウェーハを30μm程度までに薄くしてこれを紫外線硬化樹脂を用いて石英ガラス基板へ張り合わせる技術を確立した。張り合わせに際しては、シリコンウェーハの研磨や接着に伴う素子特性の劣化が生じないような条件を見いだし、実際に張り合わせた素子で良好な特性が得られていることを確認した。受光部、表示部を構成するTFT素子はこれらの素子の上に形成されるが、TFT素子関しても実際に試作を行って基本特性の評価を行った。画像処理に関しては、先ず簡単な輪郭抽出を行うための回路を設計し、計算機シミュレーションによってその動作の確認をおこなった。

研究成果

• [文献書誌] K.-H.Yu,M.Koyanagi 他4人: "Tree-Dimensional Multi-Layered,Real-Time Micro Vision System" Proc.of International Symp.on Microsystems,Intelligent Materials and Robots. 382-385 (1995)
• [文献書誌] M.Koyanagi 他9人: "Three-Dimensional Integration Technology Based on Wafer Bonding Technique Using Micro-Bumps" Extended Abstracts of the 1995 Intern. Conf.on Solid State Devices and Materials. 1073-1074 (1995)
• [文献書誌] M.Koyanagi: "Deep Submicron MOS Technology" Proc.Semicon/Korea 95 Technical Symp.105-114 (1995)
• [文献書誌] N.Terao,M.Koyanagi 他3人: "New MOS Current Mode Logic Using SOI-MOSFET with Body Terminal" Extended Abstracts of the 1995 Conf.on Solid State Devices and Materials. 578-580 (1995)
• [文献書誌] T.Shimatani and M.Koyanagi: "New Approach for Polycrystalline Silicon Thin-Film Transistor Simulation Based on Monte Carlo Method" Dig.Tech.Papers of 1995 Intern.Workshop on Active-Matrix Liquid-Crystal Displays. 47-50 (1995)
• [文献書誌] T.Shimatani and M.Koyanagi: "New Monte Carlo Simulation for Polycrystalline Silicon Thin-Film Transistor" Technical Digest of The IEEE Intern.Electron Devices Meeting. 297-300 (1995)