コンクリート充てん鋼管構造・柱梁接合部に関して1967年から1996年までの3年間に我国に於いて発表された研究論文を調査し、研究の現状報告を作成した。その現状分析に基づき、研究テーマを絞り込んで、実験及び解析的研究を行い下記の研究成果を得た。 1.コンクリート充てん円形鋼管柱-鉄骨梁フランジ接合部について、接合部にダイアフラム補強のない無補強形式及び通しダイアフラム形式の接合部の応力伝達機構を実験により考察し、接合部の局部全塑性耐力及び局部最大耐力の評価式を降伏線理論により解析的に導いた。 2.コンクリート充てん円形鋼管柱と鉄骨H形断面梁の部分立体骨組架構の柱梁接合部について、2方向力を受ける無補強形式及び通しダイアフラム形式の接合部の応力伝達機構を実験により考察し、接合部の局部耐力及び梁端接合部の耐力評価式を解析的に導いた。また、接合部パネルのせん断耐力及び柱の曲げ耐力は柱梁接合部の補強形式及び部分立体骨組架構の降伏順序の影響を受けることを実験的に示した。 3.コンクリート充てん角形鋼管柱と鉄骨H形断面梁の部分立体骨組架構の柱梁接合部について、2方向力を受ける無補強形式及び有孔内ダイアフラム形式の接合部の応力伝達機構を実験的に考察した。無補強形式接合部では部分溶込溶接による柱鋼管のかど溶接の局部曲げ破壊で、有孔内ダイアフラム形式では梁端接合部の曲げ破壊で最大耐力が決定した。これ等の破壊形式に対する耐力評価式を解析的に導いた。 以上に示す通り、各種形式の柱梁接合部の局部耐力評価式を導びき、柱梁接合部を合理的に補強するための基礎的な成果を得た。
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