研究課題/領域番号 |
07405058
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山添 のぼる 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40037817)
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研究分担者 |
島ノ江 憲剛 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10274531)
玉置 純 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10207227)
三浦 則雄 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (70128099)
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キーワード | セラミックガスセンサ / 半導体ガスセンサ / 固体電解質ガスセンサ / 分子認識 / 窒素化合物 / 二酸化炭素 / 二硫化ジメチル / アセトイン |
研究概要 |
半導体ガスセンサ 窒素酸化物を計測するセンサとして、我々はWO_3系センサが有望であることをこれまで報告しているが、新たなセンサ材料としてチタン酸塩系の材料であるBaTiO_3およびSrTiO_3が有用であることを発見した。これらの素子では500〜600℃の高温で比較的良好なトータルNOx量の測定が可能である。食品から発生する香気性ガスに高い感ガス特性を示す材料として、In_2O_3に補助相としてNa_2SO_4やLi_2SO_4を添加した系ではコンソメス-プ成分である二硫化ジメチルに対して感度・選択性が高く、ZnOにWO_3を添加した系では牛肉の熟成および腐敗時に発生するアセトインを高感度かつ高選択的に検出できることを見出した。これらは補助相の触媒的な分子認識機能がベース材料の信号伝達機能とうまく連携されたことによる考えられ、現在表面の反応機構について検討中である。 固体電解質センサ Li_2CO_3補助相/ZnO_2の電位検出式CO_2センサでは、補助相は陽イオン導電体、固体電解質は陰イオン導電体であり、感ガス特性を理解するためには界面に反応相が形成されていると考えられ、両材料の反応物の構造解析や界面の組成分析の結果からLi_2Zr_3の存在が推測された。NaNO_2補助相/NASICONの電流検知式NOxセンサでは、NO_2以外に対して応答せず、数ppm〜80ppmの範囲で安定した計測が可能であった。また、この素子においてNO_2ガスの検知極への拡散が律速していることがわかった。Na_2CO_3補助相/NASICONの電位検出式CO_2センサでは、数10ppm〜2000ppmの範囲で良好な応答を示すが、400℃以下ではNernstの式からずれた特性を示す。これは補助相とNASICONとの界面にNaに富んだ浸食相が形成されるためであることがわかった。これに対し、BaCO_3をさらに添加した2成分補助相では界面にそのような浸食相は観察されず、350℃でも安定な応答特性が得られた。このような他成分の添加は界面生成物を抑制し、センサ応答を改善するのに重要である。
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