研究概要 |
新鮮なブタ心臓100℃の熱水で10分間処理を行い、含まれる種々のプロテアーゼを失活させた後ホモジェナイズし、続いてこのホモジェナイズしたものを1M酢酸-20mM塩酸水溶液中4℃で18時間攪拌しながら抽出を行った。抽出混合物を冷凍遠心して得られた上精を濃縮し、含まれる高分子量の蛋白などをアセトンを加えて沈殿させ、この上精をエーテルで十分に洗浄して濃縮し凍結乾燥を行って粗抽出物とした。ここで得られた粗抽出物につき、まずSP-Sephadex C25によるイオン交換クロマトグラフィーで、1M酢酸、2Mピリジン一酢酸(pH5.0)、2Mピリジンで溶出される3画分にわけ、中性分画をさらにSephadex G25によるゲル濾過クロマトグラフィーで分画し、好中球様に分化させたHL-60細胞におけるβ-hexosaminidase分泌活性ならびにモルモット気管平滑筋の弛緩活性を示す画分についてさらに逆相高速液体クロマトグラフィーで細分画と純化を行い、得られたものについてFAB質量分析とアミノ酸配列解析とにより構造解析を行った。その結果、好中球活性化活性を示すペプチドが4種類発見され、そのN端側部分構造が下に示すように決定された: Tyr-Ala-Met-Asp-Asn-Ala-----,His-Ser-Gly-Ala-Ser-Lys-Arg-Pro-----,Arg-Gln-Val-Ala-X(Cys?)-Phe-Val-----,Tyr-Trp-Phe-His-Ala-----, 構造検索の結果これらのペプチドは未知の配列であることが判明したのでそれらにつき、現在さらに解析に十分な量の分取を鋭意行いながら、全構造の解析を進めている。 さらに、モルモット気管の弛緩作用を示す画分からは以下に示す部分構造を持つペプチドが単離され、現在これらのホモロジー検索を行うと同時に全構造の解明を進めている: Val-Leu-Ser-Ala-Ala-Asp-Lys-Ala-Asn------,Ala-Gln-Thr-Ala-Ala-Ala-Thr-Ala-Pro-Arg----
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