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1996 年度 実績報告書

遺伝子工学を用いた樹木のリグニン化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07406008
研究機関東京農工大学

研究代表者

諸星 紀幸  東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (30015078)

研究分担者 川合 伸也  東京農工大学, 農学部, 助教授 (90202027)
片山 義博  東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (10214339)
キーワードリグニン / リグニン合成遺伝子 / フェニルアラニンアンモニアリアーゼ / O-メチルトランスフェラーゼ / ペルオキシダーゼ / 免疫組織化学 / 交雑ヤマナラシ / タバコ
研究概要

分子生物的視点から、樹木中でのリグニン化機構を解明するために、まずリグニン生合成のターゲット酵素遺伝子として、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)、O-メチルトランスフェラーゼ(OMT)及びペルオキシダーゼ(PO)遺伝子に注目し、数種のこれら遺伝子の単離に成功した。樹木交雑ヤマナラシ(キタカミハクヨウ)からリグニン生合成に関与する遺伝子を特定するため、サザンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーションにより、それぞれの遺伝子の特性及び樹木中での部位発現特異性を検定した。さらに、これらの結果を確かなものとするため、各遺伝子の約1kb程度のプロモーター領域の単離と塩基配列の解析を行い、これらのプロモーター領域の下流にレポーター遺伝子としてGUS遺伝子をつなぎ、GUS発現により組織特異的発現を顕微鏡観察下で行った。
その結果、リグニン生合成に関与している遺伝子として、PALではpalg2a,palg2bが検出された。この中でも、palg2b遺伝子は、その組織・細胞特異的な発現様式から樹木の木化に強く関連していることが示唆された。OMTではhomt1,homt2の2種類の遺伝子が単離されたが免疫組織化学的解析及びプロモーター領域による組織的発現解析から、homt1が当年枝の木質化しつつある組織に局在していることが明らかになり、この遺伝子がリグニフィケーションに関与していると推定された。POに関しては、5つのグループ分けが出来る多くの遺伝子が単離されたが、その中でもprxA3a,prxA4aはリグニフィケーションに関与する遺伝子として特定された。
これらの遺伝子を用いアンチセンスRNAにより形質転換タバコ及び交雑ヤマナラシのリグニン合成制御植物の作出が試みられた。この中でも現在homt1制御タバコの化学分析の結果からは、リグニン化学構造的に縮合度の低い、易分解性のリグニンが生成されていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Hayakawa et al.: "Immunocytochemical localization of phenylalanin ammonia-lyase in tissues of Populus kitakamiensis." Plant Science. 113. 157-165 (1996)

  • [文献書誌] S.Kawai et al.: "Isolation and analysis of cinnamic acid 4-hydroxylase homologous genes from a hybrid Aspen,Populus kitakamiensis." Biosci.Biotech.Biochem. 60. 1586-1597 (1996)

  • [文献書誌] Y.Osakabe et al.: "Molecular cloning and tissue-specific expression of two genes that encode caffeic acid and O-methyltransferases from Populus kitakamiensis." Plant. 200. 13-19 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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