研究分担者 |
河野 迪子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70092202)
小林 牧人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30183809)
鈴木 譲 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40107412)
渡辺 俊樹 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (00272526)
長澤 寛道 東京大学, 海洋研究所, 教授 (60134508)
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研究概要 |
クルマエビの眼柄から昨年度は6種のCHH族ペプチド(Pej-GP-I,II,III,IV,V,VI)を単離し構造を決定した.今年度は新たに強い血糖上昇活性を有するPej-SGP-VIIを単離し構造を決定した.これらのCHH族ペプチドのアミノ酸配列を基にしてプライマーを作製し,PCRを行いcDNA断片を増幅した.それらをプローブとして眼柄cDNAライブラリーのスクリーニングを行い,Pej-SGP-I,III,IV,V,VIIをコードするcDNAを単離し塩基配列を決定した.Pej-SGP-I,III,V,VIIはシグナルペプチド,CPRP,プロセシングシグナル,ホルモン部分,アミド化シグナルより構成されており,Pej-SGP-IVはシグナルペプチドとホルモン部分のみから構成されていることが判明した.また血糖上昇活性を有するPej-SGP-III(CHH)と脱皮抑制作用を有するPej-SGP-IV(MIH)のC末端ペプチドを化学合成した後,ウサギに注射し抗体を作製した.得られた特異抗体を用いてX器官の免疫組織化学を行ったところ,CHH細胞,MIH細胞及び両者を産生する細胞が存在することが判明した.成熟雄の脱皮周期におけるこれらの細胞の動態を調べたところ,脱皮期間においてやや染色性が低下するものの細胞数は変化しないことが分かった.さらに成熟卵巣から卵黄蛋白質を単離し,抗体を作製した.これらの抗体を用いて血リンパ中のビテロジェニンの測定系を作製するとともに,卵巣の免疫組織化学的染色を行った.また,キチナーゼをコードする3つのcDNAクローンを得ることが出来た.これらのcDNAの解析からクルマエビの肝膵臓には複数のキチナーゼが存在すること,肝膵臓と表皮とは異なったキチナーゼを発現すること,が示唆された.
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