研究分担者 |
荒山 裕行 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (60191863)
山田 直志 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (10210460)
橋本 昭洋 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (10143158)
佐々木 康三 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (30003073)
樋口 貞三 筑波大学, 農林学系, 教授 (50003752)
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研究概要 |
都市および農村における自営業家計の生産活動、勤労者家計による家計内生産活動など自己雇用生産体による生産活動は、国民経済活動の変動を安定化するという観察がある。このような観察を統計資料にてらして検証することがこの研究の目的である。自己雇用生産体理論にstiglitzらによる効率賃金仮説を結びつけた。丸山らの不均衡国民経済モデルはこのような観察を見事に再現し、自己雇用生産体および効率賃金制の重要性を裏書きする。丸山らの成果は国内外の学術誌に発表され、農業経済学ないし二重構造経済論百年系の課題を解決するものとして評価された。つづいて、わが国の国民経済計算統計をもらい、この理論の検証をこころみた。1970年度から93年度にいたる国内総生産時系列を家計,消費,政府支出,企業設備,家計設備、公的企業設備,輸出,輸入などの13部門にわけ、それらの実質値について平均成長曲線をもとめ、これらの曲線からの偏差について相関分析をこころみた。なお、家計設備とは家計による耐久・半耐久消費財に対する支出の和をしめす。企業による設備投資および輸出は高い成長率をしめし、がわ国経済成長の機関車役をはたしたことを示唆するが、政府支出および公的資本形成は企業による資本形成と逆相関にある変動をしめし、公的支出が国民経済活動の変動を緩和するように行なわれ、さらに、家計消費は公的支出と同様の変動をしめし、私人の資格で国民経済活動変動の安定化に貢献していることが明らかにされた。
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