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1995 年度 実績報告書

セルロースの結晶変態過程における分子鎖挙動の動的解析

研究課題

研究課題/領域番号 07406018
研究種目

一般研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

岡野 健  東京大学, 農学部, 教授 (30011927)

研究分担者 鮫島 正浩  東京大学, 農学部, 助教授 (30162530)
和田 昌久  東京大学, 農学部, 助手 (40270897)
空閑 重則  東京大学, 農学部, 助手 (60012051)
キーワードセルロース / 木材セルロース / 電子回折 / X線回折 / 酵素 / セルラーゼ / バロニア / 結晶素
研究概要

セルロースには2つの結晶相(Ia、Ib)が存在し、それらがそれぞれ三斜晶と単斜晶であるという2相モデルに基づき、木材セルロースのキャラクタリゼーションを行った。ドロノキあて材と正常材を用い、電子回折、固体13C NMR、顕微分光FT-IR、X線回折の4つの手法を適用した。すべての方法から、ドロノキのセルロースが単斜晶であるという結果を得た。また、三斜晶の存在を確認することはできなかった。以上の結果から木材のセルロースは、完全な単斜晶であると結論することができた。
酵素特性を利用しセルロース構造の解析を行うため、2通りの手法の適用を試みた。ひとつはセロビオース脱水素酵素のセルロースへの吸着量を測定する方法で、これによってセルロース表面に存在する親水性の非結晶領域量を評価できることを示した。もう一つの手法は、セロビオース脱水素酵素のセルロース還元末端に対する酸化能力を利用したセルラーゼ活性の検出法で、これにより経時的に、しかも従来の方法に比べて100倍の高感度で検出可能であることを示した。また、この手法によってバロニアセルロース、バクテリアセルロースおよび非結晶性再生セルロースに対するセルラーゼの作用特性を調べたところ、各セルロース基質の不均一構造に由来すると考えられる分解曲線が得られた。この手法を、さらにセルロース微細構造の解析に適用するために必要な多量のセロビオース脱水素酵素の生産ならびに本酵素とセルラーゼの多量精製を行った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Wada,T.Okano,J.Sugiyama,F.Horii: "Characterization of tension and mormally lignified wood cellsilose in populus Maxirnowiczii." Cellulose. 2. 223-233 (1995)

  • [文献書誌] M.Wada,T.Okano,J.Sugiyama: "Characterization of cellulose in wood." Proceedings of the ISTAWF. 234-238 (1995)

  • [文献書誌] M.Samejima et al.: "The use of cellobiose dehydrogenase as a sensitive detecter of cellulose activity." Proceedings of 6th ICBPPI. (in press). (1996)

  • [文献書誌] S.Kuga et al.: "Beta-glucan synthesis in the cotton fiber." Plant Physiol.107. 111-123 (1995)

  • [文献書誌] S.Kuga et al.: "Acid hydrolysis behavior of mierovial cellulose II." Polymer. 36. 4971-4976 (1995)

  • [文献書誌] Y.Saito,T.Okano,H.Chanzy,J.Sugiyama: "Structural study of α-chutin from the grasping spine of the arrow worm" J.of Structural Biology. 114. 218-228 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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