研究課題/領域番号 |
07406018
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡野 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30011927)
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研究分担者 |
鮫島 正浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30162530)
和田 昌久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40270897)
空閑 重則 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60012051)
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キーワード | セルロース / セルロースミクロフィブリル / アルカリセルロース / バクテリアセルロース / 加水分解 / セルラーゼ / イメージングプレート |
研究概要 |
高結晶性天然セルロースを有するシオグサを酸加水分解し、得られたセルロースミクロフィブリルの分散溶液を円筒形のガラス容器内で流動させて層流をつくり、せん断力下で高度配向化させることに成功した。得られたフィルムの配向性は、ラミ-線維を凌いだ。 ラミ-線維のアルカリ膨潤過程を温度変動下でイメージングプレートを用いて追跡し、幾つかの新しい結果を得た。アルカリ濃度2規定で室温から降下させて凍らせ,再び昇温させると、或る温度では、結晶性の回折が消滅する。すなわち、無緊張下で温度が変化すると、高次構造が変化する。 酢酸菌が作る結晶性セルロースを濃厚アルカリで処理した時の結晶変態過程をX線回折法、電子顕微鏡観察、酸加水分解挙動により追跡し、綿セルロースと比較した。綿セルロースは短時間のアルカリ処理で明確なセルロースII結晶を与え、長時間処理しても結晶化度は変化しない。これに対し、バクテリアセルロースは短時間ではほぼ無定形となり、長時間(最大10日間)処理すると次第にセルロースIIの結晶性があがった。この挙動は平行鎖構造から反平行鎖構造への変態の機構に、逆向きのミクロフィブリル間の融合(綿の場合)と単一のミクロフィブリル内での分子鎖の折りたたみ(バクテリアセルロースの場合)の2つがあると考えると合理的に説明できる。 バクテリアセルロース(BC)がセルラーゼに対して極めて易分解性であることの理由を検討し、Native BCでは、リボン状ミクロフィブリル構造が崩壊する過程で、BC比表面積の著しい増大と表面構造の変化が生じることによると推察された。 高結晶性キチンを塩酸で処理してβからαに結晶変態する過程を明らかにした。
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