研究課題/領域番号 |
07407001
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
柴田 洋三郎 九州大学, 医学部, 教授 (90037482)
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研究分担者 |
西井 清雅 九州大学, 医学部, 助手 (20264020)
稲井 哲一朗 九州大学, 医学部, 助手 (00264044)
中村 圭一郎 九州大学, 医学部, 助教授 (20172398)
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キーワード | ギャップ結合 / コネキシン / Cx43 / Cx45 / Cx40 / Cx37 / 血管内皮 / 小腸 |
研究概要 |
1)モルモット小腸壁において、ギャップ結合構成タンパクであるコネキシン43の分布局在について、共焦点レーザー顕微鏡をもちいて免疫細胞組織学的に観察し、検討した。抗Cx43抗体による染色では、深部筋神経叢と筋間神経叢の間にある輪走筋外層の平滑筋細胞間に線状に配列した点状の陽性斑が多数、観察された。深部筋神経叢より内側の輪走筋内層および縦走筋層の平滑筋細胞には陽性所見は認められなかった。また、輪走筋外層の深部筋神経叢に面する辺縁部において、より染色性の強い陽性斑が認められ、アクチンとの2重染色により、これらは深部筋神経叢のアクチン陰性部位に存在していることが確認され、また、ビメンチンと共存することも示された。また、ラット、イヌでは深部筋神経叢内にコネキシン45陽性斑が見られ、腸管運動のペースメーカや刺激伝導系を構成する細胞にコネキシン45が発現されている可能性が強く示唆された。 2)Cx37、Cx40およびCx43抗体を用いて、ラット血管および心内膜の内皮のギャップ結合の分子構成を蛍光抗体法により調べた。大動脈・肺動脈ではCx40>Cx37>>Cx43、肺静脈・上大静脈ではCx40、下大静脈ではCx37とCx43、心房内膜ではCx37、左右房室弁の内膜ではCx37>>Cx43という発現パターンが認められた。複数のCxが発現する大動脈、肺動脈では各Cx局在は一致していた。下大静脈では、Cx43は全体的に分布するのに対しCx37は局所に偏在し、両者は部分的に一致していた。左右房室弁の内膜ではCx37は心室側、Cx43は心房側に発現する傾向が認められた。以上をまとめると、Cx40が優位な内皮とCx37が優位な内皮に分類できることがわかった。これらの所見は、内皮細胞が均一な集団でなく部位による違いがあることを示唆するものと思われる。
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