研究課題/領域番号 |
07407002
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤池 紀生 九州大学, 医学部, 教授 (30040182)
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研究分担者 |
原田 伸透 九州大学, 医学部, 助手 (90264043)
尾野 恭一 九州大学, 医学部, 講師 (70185635)
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キーワード | 外側膝状体ニューロン / 逆行性蛍光トレーサー / 興奮性アミノ酸応答 / マグネシウムブロック / 視神経切断 |
研究概要 |
当初の計画では、初年度にスライスパッチ標本、次年度に急性単離ニューロンを用いる予定であったが、研究の初期から定量的な解析を行う必要性を認識し、初年度から急性単離ニューロンを用いた実験を遂行した。生後2週目の仔ラットの大脳皮質視覚野に逆行性蛍光トレーサー(latex beadsあるいはdil)を注入し、単離した外側膝状体ニューロンを同定することに成功した。同ニューロンを用いてニスタチン穿孔パッチクランプ法による膜電位固定を行い、興奮性アミノ酸受容体アゴニストであるNMDA、カイニン酸、AMPAを投与して、濃度-応答特性、電流-電圧特性、Ca^<2+>透過性などを検討した。さらに、視覚系の内因性神経伝達物質と考えられているN-acetyl-aspartyl-glutamate(NAAG)に対する応答を解析し、1)NAAG応答がNMDA受容体のアンタゴニストであるAP5により部分的に抑制されること、2)1mMのMg^<2+>存在下でグリシンを除去した細胞外液中では、応答が減弱するもののNMDA応答と異なって残存する成分が認められること、3)この残存する成分はAMPA受容体の脱感作を抑制するcyclothiazideにより影響されないことなどから、NAAGがNMDA受容体とカイニン酸受容体の両者を活性化することを見いだした。また視神経を切断したラットにおいてNMDA、カイニン酸、GABA、グリシンの応答を検討したが、少なくとも濃度-応答特性に関して対照群との差異は認められなかった。
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