研究課題/領域番号 |
07407013
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
谷島 一嘉 日本大学, 医学部, 教授 (40010029)
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研究分担者 |
平柳 要 日本大学, 医学部, 講師 (20189864)
宮本 晃 日本大学, 医学部, 助教授 (40150271)
小澤 友紀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80059245)
中山 淑 上智大学, 理工学部, 教授 (00053653)
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キーワード | 宇宙医学研究 / 地上での無重量模擬 / 宇宙循環系変化の対策 / 人工重力 / 6度ヘッドダウン(HDT) / 2G1時間の遠心負荷 / 短腕遠心機 / ヘマトクリット |
研究概要 |
宇宙の無重量模擬として4日間の6度ヘッドダウン臥床実験(以下HDTと略す)を実施し、変化の対策として遠心負荷効果を見る実験を10人の被験者に対して実施した。清水建設の宇宙開発実験棟(船橋市南海神ミルックス内)に、小型短腕遠心機と二人用のヘッドダウン設備を整え、延べ5回、計10人の健常成人男子(20-25歳)に対し、1日目にコントロールデータ収集、2〜5日目にHDT、6日目に後データ収集後病院検査を行った。HDT中毎日2G(G_z+方向)1時間の遠心負荷を30分づつ2回に分けて与えた。測定項目は精密体重、24時間尿量、ヘマトクリット、インピーダンス法による下肢容積、心電図、血圧(連続または1分毎)、脈拍、パフォーマンステスト、呼吸曲線であった。病院検査では心電図、トレッドミルによる最大酸素摂取量測定を実施した。 10名のHDT被験者の内、1、2、4日目に2G1時間の遠心負荷の非完遂者が出たが、初日53分、2、4日目59分とほぼ完遂したため、予定の遠心効果を与えたと判断した。4日間のHDTにおける変化は体重、臨床検査値、各種ホルモン等が計測されているが、確実に優位差があるのはヘマトクリットのみとの見方が定説になっている。今回我々が見たのもその点で、Convertinoらの諸対策がヘマトクリットの変化を止めることができなかったが、我々の2G1時間の遠心負荷は、4日間の実験で少なくとも4日目までヘマトクリットの上昇を抑えていた。心電図R-R間隔の解析ではLF、HFその他いずれの解析値も優位な変化を見なかった。新しく計画したマイクロニューログラムにより自律神経活動の評価は、今回測定の習熟が十分でなく実験中の測定が出来なかった。 以上のことから我々は宇宙における対策として、遠心負荷の効果が極めて高いことを改めて確認した。今後は運動との組み合わせでさらに高い効果を得ることを目指したい。
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