研究課題/領域番号 |
07407013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
谷島 一嘉 日本大学, 医学部, 教授 (40010029)
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研究分担者 |
平柳 要 日本大学, 医学部, 講師 (20189864)
伊藤 雅夫 東京農業大学, 生産産業学部, 教授 (40059887)
宮本 晃 日本大学, 医学部, 助教授 (40150271)
小澤 友紀雄 日本大学, 医学部, 教授 (80059245)
中山 淑 上智大学, 理工学部, 教授 (00053653)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 6度ヘッドダウン臥床 / 人間用短腕遠心機 / 1時間遠心負荷 / ヘマトクリット / 宇宙医学の対策 / 人工重力への応用 / space medicine research |
研究概要 |
6度ヘッドダウン臥床実験のための実験室整備、生理的測定装置の整備、および人間用短腕遠心機の改良と整備を行った。 予備実験によって、どの程度の遠心加速で立ち上げるのが適当かを4種類の条件で検討し、以後の遠心加速実験を0.4G/min.で立ち上げることに決めた。次に短腕の遠心負荷にも長腕の軍用の遠心機のような訓練効果があるか、また遠心負荷が無重力での循環系の対策になる根拠が何か得られるか、実際に2G-1時間のGZ方向の負荷を完遂させるため、コリオリ刺激などの副作用を減らすにはどのような工夫が必要か、などの問題を次々に解決し、本実験に備えた。 以上の結果を踏まえて、宇宙の無重量の地上模擬実験として広く受け入れられている6度ヘッドダウン臥床を4日間づつ、合計10名の健常成人男子に実施した。従来の多くの研究から、4日間の6度ヘッドダウン臥床中に起こるさまざまな変化の中で、ヘマトクリット値の上昇のみが確実に起こる変化として受け入れられている。そこで全ての被験者に対し、ヘッドダウン中毎日2G-1時間の遠心負荷を午前30分、午後30分の2回に分けて与え、その負荷がヘマトクリット値の上昇を抑え得るかどうかを実験した。 その結果、2G-1時間の遠心負荷を毎日与えた場合は、ヘッドダウン4日目まではへマトクリット値の有意な上昇は起らなかった。遠心負荷以外のスタンドテストや軽い運動などを負荷したConvertinoらの実験ではヘマトクリット値の上昇を4日間抑え切れなかったことを考えると、本実験は遠心負荷が従来の運動その他の対策よりすぐれた対策であることを地上実験で実際に証明した初めてのデータであり、宇宙での生理的変化を予防するための人工重力として遠心負荷を第一に考えるべきことを明らかにした。
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