研究課題/領域番号 |
07407021
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研究種目 |
一般研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荻原 俊男 大阪大学, 医学部, 教授 (60107042)
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研究分担者 |
楽木 宏実 大阪大学, 医学部, 助手 (20252679)
檜垣 實男 大阪大学, 医学部, 講師 (70189744)
三木 哲郎 大阪大学, 医学部, 助教授 (00174003)
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キーワード | 高血圧 / 遺伝子 / 遺伝子導入 / 遺伝子解析 / レニン・アンジオテンシン系 / アンジオテンシノジェン |
研究概要 |
高血圧モデルラットの原因遺伝子のポジショナルクローニングを目的として、独自に20個のラット多型性遺伝子マーカーを検索した。この遺伝子マーカーに既知のマーカーを加え、高血圧遺伝子のポジショナルクローニングを行いつつあり、新たにラット第18染色体上のギャップジャンクション蛋白遺伝子座位近傍にラットの体重と連鎖する座位を発見した。このような遺伝子は、直接血圧値に影響しないが、間接的に高血圧に関与する遺伝子と考えられ、多因子疾患としての高血圧の遺伝子成因を解明して行く上で重要と考えられる。我々はヒト第19染色体上のインスリン受容体遺伝子座位が高血圧の成因のひとつとされるインスリン抵抗性に関与することも報告している。 次いで高血圧候補遺伝子の機能を解明するため、遺伝子導入法を用いて特定遺伝子の機能喪失実験を行った。すなわち高血圧自然発症ラットの肝臓を標的臓器として、アンジオテンシノジェンに対するアンチセンス核酸やおとり型核酸(デコイ)の導入を行った。その結果、両核酸投与によるアンジオテンシノジェン遺伝子発現抑制で、高血圧の正常化が見られた。アンジオテンシノジェン遺伝子座位はヒト高血圧の有力な候補遺伝子であることは我々の研究を含め多くの報告により支持されているが、ラットの遺伝子解析からは否定的結果しか得られていない。今回の遺伝子導入法による研究からはラットにおいても本遺伝子機能が高血圧の維持に関与していることが明白となった。
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