研究課題
本年度は本研究課題の最終年度にあたり、心筋代謝・受容体機能を反映するトレーサを用いて心不全モデルにおけるオートラジオグラフィによる基礎的検討に加え、SPECT、PETを用いて臨床計測により心筋機能不全の治療効果の判定法としての評価に関し引き続き取り組んだ。基礎的検討としては従来の潅流心の手法を用いてトレーサ動態を明らかにした^<123>I-BMIPP(ヨード脂肪酸)、^<99m>Tc-HL-91を用いて、自己免疫性心筋炎モデルおよび心筋症モデルの進展過程における代謝および酸素欠乏部位の画像化の役割を明確にした。さらにカルシウム・イオンチャネルイメージングによりイオンホメオスタシスとの関連で病態解明の行える可能性も示唆した。臨床応用に関しては心不全における心筋代謝イメージングとして^<18>F-FDG心筋PETと^<123>I-BMIPP心筋SPECTを同一症例で対比しながら障害心筋における重症度評価、予后判定における有用性について検討を加え病態解明や治療評価が行えることを明確にした。今後とも本研究課題に関連した検討が多くなされることが期待される。近い将来において、移植医療が現実のものとなりつつありこの意味において本研究は時代の要求に合致するものである。
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