研究課題/領域番号 |
07407027
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 俊彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028512)
|
研究分担者 |
内田 淳正 三重大学, 医学部, 教授 (40176681)
細川 亙 大阪大学, 医学部, 講師 (20181498)
服部 賢二 大阪大学, 医学部, 助手 (30252662)
丸野 元彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10263287)
三木 恒治 大阪大学, 医学部, 助教授 (10243239)
|
キーワード | 3次元実体モデル / 組織内照射 / 手術シミュレーション / 放射線治療 / 悪性腫瘍 |
研究概要 |
3次元実体モデルは、CTやMRIなどの画像データから、実体を模写した3次元的な模型を作成するもので、1993年度に3次元実体モデル作成のmiling machineであるENDOPLAN(カ-ルツアイス社)を導入し、密封小線源放射線治療における臨床応用を開始した。これは諸外国の研究に先んずるものである。 高線量率密封小線治療では腫瘍に対し大線量を集中させるために、より正確に狙った空間位置へのチューブやガイド針の留置が必要である。3次元実体モデルの応用で一層的確な組織内への線源配置が実現する。本研究ではこの3次元実体モデルを利用した治療計画と高精度照射技術の開発を目的とする。特に重要臓器への過照射を避けるため、術中チューブと重要臓器の間にスペ-サを介在させるが、その形状作成は経験と勘に頼らざるを得なかった。しかし、画像データを基にした3次元実体モデルによりカテーテル刺入を模擬体験し、治療計画に応用し、より適切な形状のスペ-サを作ることができる。治療計画上有用であり、また術中の合併症を未然に防ぐ上でも有用である。 これまでの組織内照射においては、医師の独特の経験と勘に基づく留置法に頼ってきたが、今後、3次元実体モデルとしてのmilling machineの応用で、経験に頼らない適切な線量配置と線量分布計画を予め取得することができる。密封小線源放射治療計画への非経験的要素の導入は新たな症例への展開につながる。本研究施設でのがんの高線量率密封小線源治療自体が先導体である上に、三次元実体モデルを応用した研究は全く独自のもので、国内外で他に例を見ず、新しい分野を開拓する研究である。 今後更に経験に頼らない適切な線量配置と線量分布計画を予め取得するために、3次元実体モデルと3D画像処理の両方を駆使し、臨床的な効果をあげることを計画している。本研究は密封小線源治療の仮想体験に基づく教育的成果も期待できるものである。
|