研究課題/領域番号 |
07407037
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
尾本 良三 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80112647)
|
研究分担者 |
宮本 直政 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10239444)
藤内 伸子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70286087)
松村 誠 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40190508)
許 俊鋭 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30153232)
|
キーワード | カラードプラ血管内・心腔内エコー法 / 血管カテーテル / カテーテル回転ノイズ / 循環のシュミレーション回路 / 心臓外科への応用 / 新生児用経食道プローブ / カラードプラMモード表示 / 超音波ビーム方向 |
研究概要 |
平成8年度までに開発したカラードプラカテーテルとそのシステムを実際に実験動物(ブタ)に使用するため、まずカテーテルと断層表示について以下のような改良を行った。カテーテル先端の探触子をシャフト軸と超音波ビームのなす角度が45°になるようにマウントし、カラー血流像が自動的に毎秒1〜3フレームで表示できるようにシステム内ソフトウェアーを変更した。血液循環回路内でこの改良システムの血流描出能を検討した結果、血流速度30〜200cm/secの範囲内においてカラー表示速度とパルスドップラー法で測定した血流速度には高い相関が認められた。また、血流速度波形の異なる定常流と拍動流はカラー断層表示により視覚的に容易に判別可能であった。同システムの有効性と安全性を確認するため実験動物(ブタ)を施行した。全身ガス麻酔の後開胸、開腹し大腿動脈からカテーテルを大動脈に挿入し、狭窄病変を作成してその描出性を検討した。正常血流と病変部の血流は明瞭にカラー表示され、従来の経胸壁、経食道カラードプラ法とほぼ同等の有効性が認められた。また、血行動態への直接的な影響、漏れ電流によるマイクロショック等は認められず、安全性が確認された。引き続いて同システムの最終目的である臨床例に対する有効性を検討した。心臓外科症例(弁膜症、大動脈瘤)において術中あるいはカテーテル検査室で心臓血管の組織像と異常血流を評価した。全例において安全に同システムにより組織断層像とカラードプラ血流像は同時に観察された。その描出性(血管内腔形態、血管径、血流速度、逆流、乱流等)は同時に行った血管造影あるいは経食道心エコー法と同等であり、臨床例において有用性が認められた。とくに、術中応用において腹部大動脈から大腿動脈の血流に関する情報は経食道心エコー法では得られず、体外循環施行時の送血血流評価に高い有効性が認められた。これらにより、心臓外科、循環器領域における新しい診断法としての本法の有用性が実証された。
|